幼稚園の雨。
木に花に、
子どもの心に
降り注ぐ。
うるおいが満ちて、
小さい人たちにも
きっと生活の花が咲く。
だから、心配ばかりしないで
我が子も自分も信じよう。
今日 初めて、
お母さまの膝を離れた
子どもたち。
幼稚園で遊びたいのと
お母さまと一緒がいいのとで
行ったり来たりの春。
けれど、
いつのまにか知らず識らず
熱中が続くようになる。
お母さまがここにいないことを
すっかり忘れて
遊びに没頭するようになる。
お母さまは
嬉しさと寂しさを味わうのだ。
子どもは成長したい。
いつのまにか知らず識らず
こんなに成長していた、と、
そうなるように、
お母さまと保育者たちが
手と心を繋いで
がんばろう。
一つ大きくなった川さんたちは、
新しい遊具に夢中。
嬉しくてたまらない。
それぞれが落ち着いて遊んでいる。
少し前まで
小さい池の組だったなんて。
信じられないほど
丁寧に遊んでいる。
「あら、なんだか焦げくさいですね」
と先生。
「あ!
アイロンつけっぱなし!」
ああ よかった!
いつとはなしにいつでもしているのが
幼児教育。
海のお部屋は2人だけ。
「積木のお部屋でお城作ってるの」。
「お城できたよ!」
「来て!」。
わぁ!
いつのまにか こんなにいいのが!
積木のお部屋を
自分たちの思い通りに使える
嬉しさ!
大きくなったのだもの。
「もう海の組だなんて信じられない」
と、お母さまたち。
そう。
年月のたつのは思いのほか早い。
一日いちにち
丁寧に生きよう。
ああ、あの時こうしておいてよかった。
そう思えるように。
きっと今は
この忙しさがいつまで続くのかと
感じているに違いない
お母さまたち。
子育ては永遠に続かない。
終わりは、
思いのほか早くやってくる。
だから、
我が子を思いきりかわいがろう!
一生尽きないうるおいを
子どもたちの中に注ぎこもう―――!