豆まき日和の水曜日。
山の大きい人たちは
用意周到抜かりなし。
幼稚園の豆まきも
ベテランの域に達する山さんたちだもの。

こちらは まだベテランとは言えないため
少々 注意を怠ってはいるが
豆まきの用意は万端
整えたつもりでいる。

鬼役に名乗り出た山さんも。
森の組へ行って
「おにはそとー!」と
豆を投げつけられる役をしたいそうだ。

どんな鬼が来るかと 待っていると
優しそうな鬼がやってきて
肩透かしを食う 森さんと山さん助っ人。
「おにはーそと」
和やかな豆まきが始まる。
「おにはーそと」
「おにはーそと」

鬼も子も 楽しいこと楽しいこと。
きみこ鬼も
「おにはーそと」と
小さい子どもたちに やっつけられる。
「おにはーそと」。
テラスでも
「おにはーそと」。

お弁当の後
本当の鬼がやってくるというので
筋トレを始める山さんたち。
豆の準備は完全無欠。
あとは 自分の身体を鍛え

鬼に立ち向かうばかり。
鬼をもひしぐ勢いなのだ。

あっ!やってきた!
本当の鬼なのに
なぜか嬉しそうなみんな。
「おにはーそと!」
おにはーそと!」

「おにはーそと!」
山さんたちが作った豆の数に
感心する大人たち。
鬼の力と子どもの力が伯仲し
我を忘れて没頭し始めると

鬼はきみこ先生だとわかっているのに

なぜか本物に思えてくる。

山さんたちはまだ
夢の世界と現実の世界を
行ったり来たりしているのだなあ。
散らばった豆を素早く拾い集め
「おにはーそと!」
「おにはーそと!」

「おにはーそと!」


神出鬼没 きみ子鬼。

森の組には ほっこり鬼になって現れ
子どもたちと仲良くなり
山の組には また姿を変えて現れる。
ちなみに このお面
子どもたちと同じ机で
お花先生が描いたものなのに
被ると イメージの世界が動き出す。
子どもたちは本当に良く勘違いしてくれる。
幼児の持つ そういった特性に支えられ
私たちは保育の世界を生きている。
お互い同士が教育環境なのだ。

「あー楽しかった!」
「来年もまたやりたいね」
「ぼくたちはもうできないよ 学校だもん」
「学校の人も来るときあるから きっとまたできるよ!」
来年のことを言うと鬼が笑うというけれど
笑われてもいい。
鬼に叶えてほしいと願う
春 始まりの幼稚園ーーー。



