幼稚園の心

花むしろの園庭に響く

打楽器の朝。

昨日の続きの楽隊が

もう 始まっている。

歌う子ども。

音楽に乗って

ボールころころも リズミカルだ。

雨上がりの しっとりした園庭で

遊ぶ子ども。

うさぎの椅子で

作りたい 子ども。

静かなお部屋で

ゆっくりと遊ぶ 子ども。

お花の陰から ひょっこり顔を出す虫たち。

虫たちとの生活が

また始まる 嬉しさ。

お鮨屋さんのデリバリー。

お客様のお宅は 遠いらしい。

春のお庭で繰り広げられる

心と心のやり取り。

こんなに和やかな幼稚園だもの

新しいお友達の心もきっと

あっという間に 柔らかくなる。

「いただきまーす!」

のり巻きのいい匂いに誘われて

ご新規さんが やってくる。

幼稚園のお庭は おもしろい。

おもしろくて たまらない。

あっちへ行っても

そっちへ行っても

おもしろいのだ。

それでこんなになっちゃった。

あっはっはっは!

あっはっはっは!

感心するほど笑っている。

感動するほど ただ無心に笑っている。

大人だって きっと無心になれる。

育てようとするばかりでなく

育つのを待つばかりでなく

ただ無心に明るく 広々とした心で

子どもと共にいられたらーーー!