意欲を形にあらわす

僕がつかまえたダンゴムシを 見てほしい

火曜日の朝。

ひこうき雲も見つけた。

あれはつかまえられない。

ぼく テントウムシをつかまえるよ。

あっ つかまえた!

ここにもいた!

お砂場で遊んだり

粘土で遊んだり

製作して遊んだり

絵本やおままごとで遊んでいると

お庭から「つかまえた!」の声。

「きいろいちょうちょだよ!」

自分でとらえたのだ。

どんなに嬉しいだろう。

嬉しさの波動が広がって

あっちからも こっちからも

お友達が集まってくる。

意欲が実る 嬉しさ。

意欲が形になることは 嬉しい。

子どもたちは

自分の思いを はっきりとした形にあらわすことを

とても喜ぶ。

それがよりどころとなって

遊びのイメージが

次から次へと引き出されるからだ。

思いを形にあらわすことは

すなわち 紙で作ることは

子どもたちにとってみたら 特別なことではない。

いつもの遊びの生活だ。

遊ぶために作る。

作ったもので遊んでいると

また思いついて また作りたくなる。

いつの間にか 知らずしらずに

創造性が培われるのだ。

リズミカルな音楽に浸ることも

子どもたちは好きだ。

誕生会のたびに

子どもたちのレパートリーが増える。

音楽リズムも 子どもたちの創造性を培う遊びだ。

外側からただ見た場合

ただただ 遊んでいると思える生活の

その中に潜む 教育。

幼児全員をこちらに向かせる

十把ひとからげの教育を

幼児教育だと思っている教育者には きっとわからない。

よく練られた教育的営みが

遊びの中に組み込まれている保育を。

くぬぎの花を飾ったケーキ。

くぬぎの花で作ったお布団。

ちょうどいいので お座布団にして

テラスでお弁当を広げる。

小さい人たちは お部屋でお弁当。

お弁当は おいしい。

お母さんの味 お父さんの味。

みんなのお家の味がする。

幼稚園がお家になる時間だ。

子どもたちとおんなじに

お母様も 思いを形にあらわしている。

飾らない いつもの味のお弁当を作って

お母様を味わわせているのだ。

子も母も

意欲を形にあらわすのは

なんて楽しく

なんて充実することだろうーーー。