すごい魔法

 

 

降り出した雨が止んだ 金曜の朝。

もう 熱中が始まった 山の組。


作りたい子ども。

森さんもやってきて

恐竜を作りたい。

おままごとでは

電子レンジが “お人形たちの学校” という設定に

どうもなっているらしい。

「おはようございます」と ドアを開けている。


雨が落ちてこないので


嬉しいお庭の 子どもたち。

鬼ごっこも やりたい!

年長さんから年少さんまでの 鬼ごっこチームが

「このゆびとまれ!」


一番小さい子どもが “鬼決め”をすることに。

SSくんは 小学生という設定になっているため

小さいけれど「ぼく がまんするよ」



思い切り走る!

走る!


走る!

走る!


走る!

鬼ごっこって なんておもしろいんだろう!

小さい人たちは 手加減してもらっているので

いつまでも続く 鬼ごっこ!


あっ 蝶を取ったのだ!


「逃がしてあげよう」

「また 卵うんでくれるものね」


虫取り達人の見識は すばらしい。

ああ 飛び立った!

見送る年長さんの表情。

本当は欲しかった 年中さんの表情。

がまんして えらいなあ!

幼稚園の生活は 味わい深い。


西武線と川越線の 乗り入れる駅に

ケーキ屋さんが開店。

おいしいと評判の 人気店だ。

昨日 自分で作ったケーキを

おいしい おいしいと 食べてもらったり

自分でも お味見したり。

幼稚園の生活は 味わい深い。


工事の仲間たちは

日陰ガーデン近くを

また 工事現場に 設定。


おいしいケーキを味わったお客様は

踊りたくなっちゃった。


楽しそうな曲が聞こえると

心が動く 身体が動く。

お花畑ステージには

踊り手たちが 次々にやってくる。

次々に 次々に

次々にやってくる。

ステージは 満員だ。


身体も心も動かして

おもしろくて


おもしろくて たまらない。


音楽を聞きながら

今日も ブランコの練習に励む子ども。


♪オリンピックマーチも やりたい。

だって 大好きなんだもの。

幼児のための リズム遊びは

上肢の運動や下肢の運動などの理屈はいらない。

小さな子どもにとって 興味深くおもしろい動きが

いつの間にか

心も身体も育てる。


楽しくおもしろく 一生けんめいしているうちに

自らが育っていく。


音楽を聞きながら

工事現場もリズミカルだ。


あ、今度は♪お花の体操。

花びらが風に揺れる表現。

花たちが お話する表現。

いろんな表現をしているうちに

身体のいろいろな部分が

いろいろに使われて 育っていく。

いつの間にか 知らずしらずに。

だって 体操なんだもの。

こんなに美しい曲の体操が

幼児の世界にあって 嬉しい。


おお、お庭のあちこちで

体力自慢が 始まった。


お部屋では 遊びの継続が。


自分のイメージを 形にしたい。

運動会の空を飾る 万国旗も作りたい。

幼稚園のそこここで

子どもたちの主体的な遊びが

繰り広げられている。


保育者たちは

後になり先になり

子どもたちの遊びを 支えている。

子どもさながらの 遊びの生活を壊さず

その中に教育を入れていく

この幼稚園の子どもたちは

自分が教育されているなんて


誰も思っていない。

もしそんなことを 少しでも感じさせてしまったら

それは 幼稚園として 失敗だ。

子どもたちの自己充実のために

幼稚園は あるのだから。


可愛がられ 大切にされ

一生けんめい遊んだ 幼児時代の自分自身が

それからの長い人生を 支えるのだ。

大人になって 自分に足りないものに気づいたお母様が

今 もし 幼児時代の自分に出会えたなら

こう言いたいのではないだろうか。

たくさん たくさん たくさん遊んで

たくさん たくさん たくさん甘えて

あなたのお母さんに 可愛がってもらうのよ

そうしたら


心も身体もうんと丈夫になる いい魔法が かかるからね

大人になっても ずっと解けない

すごい魔法が、と。---