実習中

保育実習日誌の書き方、習った手法がヒドかった…

私が大学で勉強した保育実習日誌の書き方は、かなりひどいものでした。

今回はその経験を共有します。つまり、「ダメ」な書き方の例を詳しく分析。

これによって、あなたが日誌の書き方で困らないためのポイントをお伝えしたいですね。

保育実習日誌の書き方、「ダメ」な例

実習日誌の書き方には、明確に「これはダメ」な例があります。

それは「子供の発達の役に立たない」書き方。

「園」の先生の使命は発達の援助。発達に役立たない日誌を書いているヒマはないんですよ。
※当サイトでは「幼稚園・保育園(保育所)・認定こども園」を総称して「園」と呼ぶことがあります。

しかし残念なことに、誤った日誌の書き方が指導されている大学もあるようです。私の受けた講義がまさにそれ。

※画像はイメージです。

「日案」用紙を使って実習日誌の練習をした時のことです。

確か5歳児の保育を想定していたと思いますが、「その日に何をするか」を最初に決めてしまうんですよ。

おかしいと思いませんか?だって、あらかじめ決めた「遊び」に全員が夢中になれるわけないじゃないですか。

『幼稚園教育要領』にも明記されています。

幼児の主体的な活動が確保されるよう幼児一人一人の行動の理解と予想に基づき,計画的に環境を構成しなければならない

「一人一人の行動の理解と予想」に基づいていたら、「20人全員でレストランごっこをする」なんて書けるわけないんです。

友達とゴハン食べるだけでもパスタか和食化で意見が分かれたりしますもんね。
かなりわかりやすい例えです!

「5歳児20人全員が心の底から同じ遊びをしたがっている」状況は、「20人が心の底から同じものを食べたがっている」のと同じくらいありえない、と考えるとわかりやすいですね。

では、保育日誌の正しい書き方は?

では、「子供に合った日誌の書き方」って何ですか?
子供の「発達」を援助できるよう考えられている、という意味ですね。

まずは「発達」を掘り下げてみます。

発達の流れをつかむと「子供がどのように心を動かしたがっているか」がわかりま、それでようやく「子供に合った日誌の書き方」ができるんです。
※ここでは「発達=心理的発達」として話を進めます。

発達心理学者エリクソンの発達理論をもとに0歳~6歳の「発達」を表現すると、こうなります。

0歳~1歳半くらい
:「自分の気持ちは何者にも脅かされない」という「安心」を感じたい。エリクソンはこれを「失われた楽園を永久に取り戻す」ことであると言っている。

1歳半~3歳くらい
:身の回り・意識に触れるものに次々興味を覚える。すっかり「安心」している心が、何にも妨げられることなく「意欲」を発達させていこうとする段階。

3歳~6歳くらい
:強く大きく発達した「意欲」を、遊びの充実という遠い・深い「目的」に向かって広げたくなる。大人の援助を受け「目的力」が最大化する。

※個体差・環境差があるため、年齢はあくまで目安です。

子供自身が「安心」・「意欲」・「目的力」を大きくしていけるように関わりを持つ、そのためできることを考えておく、

それが「子供に合った日誌の書き方」なわけですね。

もちろん、発達の知識をベースとして一人ひとりに「オーダーメイド」に対応する必要があります。

自分の知識に子供の生活を当てはめてしまうと、発達を妨げることにもなりますので、注意しなければなりません。

こちらの記事も参考にしてください。

【保育実習日誌】毎日の目標は2つのポイントを押さえれば楽に書ける。 2つのポイントとは ・「発達段階」 ・「オーダーメイド」 です。毎日の目標設定の悩みを、ここでぜひ解決して...

実習日誌(特に日案)の書き方:まとめ

あなたが実習日誌(日案部分)を書く時の流れは、こうです。

①前日の子供の姿を思い出す

②「発達段階」のどこにアプローチすべきか見きわめる

③前日の姿が「発達段階」を踏まえて前進するよう、必要な関わり方やモノを想定しておく

この①~③を一人ひとりに対して行うわけですね!

書き方がわかったからといって実習日誌がスラスラかけるわけでもありませんが、今回の内容を押さえてもらえれば書き方で悩む回数は格段に減るはずです。

また、 ①~③を押さえて書けるようになると、保育で見るべきポイントがわかり、保育がスムーズになるでしょう。

見学・参加実習の段階から、保育実習日誌の書き方を練習していきたいですね。