保育実習中の「日誌に書くことがない」という悩みはすぐ解決すべき。
深刻な問題に繋がるからです。
書くのに時間がかかり寝不足になるとか。日誌の内容が浅くなり再提出を求められるとか。
今回は「日誌に書くことがない…」を解決する具体的な方法を示します。
ポイントは先輩保育者の考えを推測して書くこと。
こんな感じの写真(↑)を見ながら解説します。
ぜひ最後まで読み、実践してください。「保育実習日誌に書くことがない」と困ることが激減するはずです。
※日誌の書き方について、最終的には指導教員や大学からの指示を優先しましょう
初めに:保育実習日誌の形式
「実習日誌に書くことがない…」を解決する近道は、まず日誌の「形式」を理解すること。
どの部分でつまずくのか明確になるからです。
ふつう、保育実習日誌には以下の項目があります。
- 保育の準備
- その日の目標
- 一日の流れ
- 保育の振り返り
学校ごとの違いはあれど、大体このようになっているはず。
そして、「書くことがない…」は「保育の振り返り」段階で感じることが多いのでは?
他の部分、つまり①~③は悩む側面がごく小さいんですよ。極端に言えば…
①☞「何を考え何を用意した?」を書くだけ
②☞教育要領などを参照し短くまとめるだけ
③☞幼児と先輩保育者の言動を並べるだけ
ですからね。端的に言えば、ですが。
はい。以下では「④保育の振り返り」に絞って作戦を立てていきます。
なお、
①~④に関しては保育実習日誌を【早く】書くコツ!寝不足にサヨナラ?
③に関しては保育実習の目標設定は「脱マニュアル」でうまくいく
でも触れています。ご参照ください。
「振り返り」は自分で考えるな?
次に、実習日誌の「保育の振り返り」部分について。
「反省」とか「課題」とか名称にはバリエーションがありますが、要するにその日のまとめパートです。
まず誤解を解きます。
保育では自分で考えて行動することが大切と言われており、振り返りも「自分の意見をしっかり書くべき」と思うかもしれませんが…
もちろん、最終的には「自分で考えて行動する」がゴールです。自分で考えられないと保育できませんからね。
それでも最初は、特に保育実習段階では「先輩保育者の考え」を推測して書くことから始めるべき。
先輩保育者の考えを推測し、真似・コピーすることで、自分で考えるための思考回路を作るのです。
実習日誌の「保育の振り返り」に取り組む際は、先輩保育者の考えを推測することに集中してください。
先輩保育者の考えていること
- 時間がかかるのは「振り返り」部分
- 自分で考えず先輩の考えをマネする
の2点は呑み込めましたか?
そうしたら次は「先輩保育者の考え」の具体例を見ていきましょう。
例えばこういう場面があったとします。
この遊びに際して、先輩保育者は何を考えたでしょうか。
保育の基本は幼児が自分から興味をもって環境に主体的に関わる※こと。
※参照:幼稚園教育要領「環境を通して行う教育」
つまり、この場面ではまず、この遊びに興味をもつ幼児が数名いたと考えられますよね。
- A子は普段から「学校」に興味がある
- B夫は好きな昆虫について「授業」したい
- 4歳児3人は机を並べて「勉強」したい
- 3歳児2人も、周りの充実に影響されて「入学」
など子供の意欲的な姿が想像されます。
この状況で先輩保育者が考えることは、基本的には次の3点です。
- 非認知能力が使われているか?
- 相互主体的な(≒一心同体の)保育か?
- 次の遊びも意欲的に始まっているか?
細かなポイントは他にもありますが、上記「保育の基本」(=幼児が自分から興味をもって環境に主体的に関わる)の視点で考えると、この3つでほぼ決まり。
わかりやすく、こう言い換えてもいいですね。
- 遊びが意欲的に始まり、充実して続いたか?
- 保育者の気持ちが子供に寄り添っているか?
- 次の遊びでも意欲が発揮されているか?
くどいようですが、これが「先輩保育者の考えていること」です。
保育実習日誌の「振り返り」はこの立場で書くことを強く勧めます。
これで「保育実習日誌に書くことがない…」という悩みとはサヨナラです。
実演:実際の「振り返り」文章
それでは、今回のクライマックス。
保育の振り返り(反省、課題)を、実際の場面を想像しながら書いてみましょう。
振り返り(反省、課題)例
この日はA子のアイデアから「学校」が始まりました。言い始めたA子は、姉が小学生ということもあってか普段から学校に興味があるようです。
☞意識されている先輩の考え:非認知能力
数名で相談し、A子と、昆虫好きのB夫2人が先生、C子・D子・E子が生徒となって自発的に遊びが始まりました。3歳児F夫とG子もやってきました。
☞非認知能力
保育者(先輩保育者)は指示をするでも受け身で待つのでもなく、会話の中で「ここに机があったら(ノートを)書きやすいわね」とか、(B夫が最初に描いた絵を見て)「大きく描いてて後ろの人が見やすいね!」のように関わっていました。
☞相互主体性
遊びが始まり、保育者が席を増やしながら参加を促すと、3歳児の2人も楽しそうに授業を受けていました。
☞相互主体性、非認知能力
前日にはランドセル作りが盛り上がっていたことも、本日の「学校」に繋がっていたようです。先を見通して遊びを進めていくためには保育者の専門性・計画性が欠かせないとわかりました。
(次の・別の遊び)
これはあくまで例ですが、先輩保育者が常に考えている3つのポイント(非認知能力、一心同体、次の遊び)を押さえるだけで内容がクリアになり、非常に書きやすくなることがわかると思います。
まとめ:「書くことがない…」を防ぐ方法
保育実習日誌の中でも特に「書くことがない…」と悩みがちな振り返り部分を、先輩保育者の考えていることを真似して書き上げよう!
十分な内容の日誌を書くためには、すべきことがたくさん。
非認知能力、相互主体的な関わりについて理解しなければなりませんし、理解できていても整理して書く練習を重ねないと上達しません。
それでも、ここを乗り越えると保育実習日誌を書くのが楽になりますし、保育が一気に楽しくなります。
本を読む、大学の先生に相談する、など工夫して乗り越えてほしいです。
また、私でよければ電話(049-242-2259:たかしな幼稚園)で相談に乗りますし、こちら(↓)からLINE登録していただければご質問にもお答えします。
大変だけれど意味ある保育実習を、充実したものにしていきましょう!