いよいよ就職活動。自信をもって進めましょう。応援します。
今回は、保育実習を経験したからこそできる保護者理解・保護者支援について考えを深めます。
就活前にぜひ知っておいてください。
実習後に考える「いい先生とは?」
保育実習は「いい先生」になるためのもの。
では「いい先生」の条件とは?
子供と保護者を支えられることです。
実習後に意識してほしい「いい先生」像①子供のために
先生の本分は子供の発達の援助。
保育者にまず求められるのは「子供理解」。
法令に定められてもいます。園の存在目的は子供の「心身の発達を助長」することなんです。
参照:幼稚園教育要領、保育所保育指針、「認定こども園法」
子供の発達に貢献できてこそ「いい先生」。
これが揺るがない事実です。そして…
「いい先生」には、もう一つ大切な使命があるんですよ。
実習後に意識してほしい「いい先生」像②保護者のために
保育者のもう一つの使命は「保護者理解」。
これこそ今回のテーマ。
保護者理解の大切さは、これもやはり法令に書かれています。
園が保護者を大切にしている指標として、「保護者」という言葉が登場する回数をカウントしてみると…
幼稚園教育要領(解説): 81回(目次含む。以下同)
保育所保育指針(解説):332回
認定こども園教育・保育要領(解説):440回
※「保育所」と「認定こども園」で保護者に関する記述が多いのは、これらが親の代わりに子供を育てる施設であるため
ふつうに考えると「保護者が何に困っているか」理解する、といった意味でしょう。
子供に関する保護者の悩みは、2つに分けるとスッキリします。
悩み①「子供をかわいいと思えない」
悩み②「子供に必要なことをしてやりたいが、何をすればいいかわからない」
この2つはまったく異質。
当たり前ですが、保育者の仕事は②に重点が置かれます。
大学(短大)でも、保護者のことより子供のことを中心に学ぶでしょう?心理とか衛生とか。
保護者自身の悩み(①)に向き合うの仕事は、保育というよりカウンセリングに近いんです。
これは保育者の手には負えません。
手に負えないというより、①に全力で向き合う(commitする)ための人材やお金が、園※にはないんです。
※ここでは幼稚園、保育園(保育所)、認定こども園を総称して「園」と呼称
突き放すなど言語道断。厳しすぎる助言も控えるのがいいでしょう。
しかし、ただ受容的に「そうですよね。苦しいですよね」というスタンスで1年も2年も待つわけにはいきません。
先ほど確認したように「先生の本分は子供の発達の援助」だからです。
保護者の悩みを受容していたら子供の発達が保障されませんでした、なんてことは許されません。
保護者の養育が不適切である場合や家庭での育ちの状況が気になる子供がいた場合の保護者支援については,子供の最善の利益を重視しつつ,幼稚園のみで抱え込むことなく,カウンセラーや保健師等の専門家や,市町村などの関係機関と連携して,適切な支援を行っていくことも大切である。
参照:幼稚園教育要領解説
保育所や保育士等による対応では不十分、あるいは限界があると判断355される場合には、関係機関との密接な連携がより強く求められる。
参照:保育所保育指針解説
これは、保護者理解をあきらめろという意味ではありません。むしろ真逆。
悩み②(子供)に軸足を置きながら悩み①(保護者)に寄り添うには、外部との連携が欠かせないということなんです。
実習後に意識してほしい「いい先生」像③保護者と共に
☑ 「子供理解」→支援ができる
☑ 「保護者理解」→支援ができる
☑ 保護者「を」見るというより、保護者「と共に」子供を見る。
保護者理解のゴールは、子供理解。
それが園の、保育者の仕事。
手紙で感じる保護者理解の真実+まとめ
保護者の方からのお便りをご紹介します。
特に印象的なのは…
・木を折って遊ぶのを止める親は、他園には少ない
・年下に優しい人が多い環境はありがたい
・前向きに遊べるのは、それだけですごいこと
・「できる or できない」思考では子は伸びない
・「やりたい」気持ちが人生を幸せにする
・子供が意欲的に育ってくれて嬉しい
保護者「を」見るのでなく、保護者「と共に」子供を見るのがいい、と先ほど言いましたね。
手紙をくださったお母さんは、お子さんの成長を本当に嬉しく感じていらっしゃるとのこと。
そして、お子さんの成長によって、自分の心配事も小さくなったに違いないんです。
保育者の仕事の中心は、あくまで子供の発達の援助。
保育者としての「保護者理解」の本質は、子供が伸びていくのを支えることで結果的に保護者の悩みをも解決していくこと。
そう信じてお伝えしました。
※園に寄せられた保護者のお手紙はこちらのサイトで読めます。
まとめ:保育実習の後で
保育実習で、あなたの「子供理解」はかなり深まったはず。
その保育実習が済んだ今なら、あなたは次の一歩を進むことができます。
「保護者理解」、そして保護者と共に実践するハイレベルな「子供理解」です。
あなたの知識や経験をもとに、子供達と保護者の方の道を照らしてあげてほしいと思います。