2つのポイントとは
・「発達段階」
・「オーダーメイド」
です。毎日の目標設定の悩みを、ここでぜひ解決してください。
毎日の目標設定は「発達段階」をもとに
「基準」を持っていないため目標設定できない、というケースはかなり多いです。「何でも自由に書いていい」と言われると、かえってうまく書けないんですよね。
ヒトの児童期発達を、行動の質的差異によって特徴づけられる段階に分割できるという理論。
参照:wikipedia
誤解を怖れずに言えば、「このくらいの年齢だと心はこんな感じに動きたがっている」ということを理論化したものです。
少し付け足すと、児童期だけでなく死までの各段階の心理・社会的発達を俯瞰するのにも使えます。
これを利用すれば、毎日の「目標」は簡単に出てくるんです。
「この年齢の子供はこのように心を動かしたいと思っている。そのために必要な関わり方の原則はこう」と明確にわかり、
「このような状況が起こったらこのような対応を試してみるのがよい」などのように、すぐに結論を導けます。
学生のうちに勉強しておけば、1年後の自分から感謝されること間違いなしです。関連書籍も、実習前に2冊は読んでおくといいでしょう。
この2冊以外にもたくさんあります。図書館にもあるはず。
毎日の目標を考えるのに役立ちますし、何より長く続く保育者人生に欠かせない知識ですから、ぜひ挑戦してくださいね。
「発達段階=単なる平均値」なので、子供一人ひとりに合わせてカスタマイズしなければ役に立たないんですよ。
次はこのポイントについて考えましょう。
実習で学ぶ、オーダーメイドな目標設定
「今日は埼玉県全域で弱い雨」という天気予報が出た日でも
・〇〇市では1mmも降らなかった
・△△町では反対に豪雨だった
ということがありますよね。
それでも結果としては「埼玉県全域で弱い雨が降りました」と言うじゃないですか。
「発達段階」の考え方はこれと同じ。あくまで平均値であり、正しいけれど、それだけでは子供一人ひとりを説明できないんです。
責任実習前日だとしたら、あなたはこんな感じで目標設定するかもしれません。
同じ場面であっても「オーダーメイドする」意識が欠けていると、
などという浅い目標設定で終わってしまうでしょう。
では、ここまでの話をもとに…
保育の動画を見て目標を考える
実際の保育場面をビデオでお見せします。
「この保育の次の日に責任自習するとしたら、じぶんならどのような目標を設定するだろうか?」
考えながら2本のビデオを見てください。
今回は年少(3歳児)の、「ピザ屋」で遊んでいる数名に注目してみましょう。
1本目の動画では、テラス(廊下)にテーブルを並べてピザを売るようすが見られます。
2本目の1:05を見ると、友達・先生とやりとりしながらピザを作っているのがわかるでしょう。
…と言っても、あなたは「発達課題」についてまだよく知らない状態ですので、優れた目標を立てるのは難しいかもしれません。
また、ビデオに登場する子供を一人も知らないわけですから、「オーダーメイド」な目標には辿り着きようがありません。
まさにここにこそ、保育実習をする意味があります。