建設的な幼稚園

子どもの手から放たれた ダイミョウセセリが

翅を休める 自然幼稚園の木曜日。

ツリーハウスで見つけたのは

カマキリの脱け殻。

クヌギの樹液に やってきたのは

カブトムシだ。

高い!届きそうにない!

高所専用虫取り網で

とにかくやってみる。

あっ 落っこちた!

捕らえたか!

力持ちのカブトムシの

捕獲 達成!

こんなに大きいキノコも見つけた。

これは 何というキノコだろう?

今は 一年生になっている

「大きのこのうえん」の 社長に見せたら

喜ぶに違いない。

赤ちゃんに絵本を読んであげる お母さん。

熱心な空気が流れる 山の組の朝。

おお!セミもつかまえた!

降り注ぐ 蝉時雨。

まるで木々が 歌っているかのようだ。

涼しい 自然幼稚園のお庭。

武蔵野の自然をとどめた 園庭が

子どもたちを 暑さから守ってくれる。

虫も子どもも

自然幼稚園で生きる 仲間。

つながり合う 生きものたちだ。

「あっ ヘビ!」

「ようちえんのヘビは トクベツなんだよ」

「だから こわくないよね」

卒園した「ヘビ研究所」の所長たちに 聞かせたい。

お部屋でも 生きものたちが作られている。

小さい人たちのお部屋では

ぬいぐるみさんたちが

大切にされている。

一人ひとりが大切にされている

この幼稚園の子どもたちは

お友達も

他の生きものたちも 大切にする。

言われたからでなく

してもらったようにしているのだ。

幼稚園でもお家でも。

手をかけ 心をかけてもらっている 子どもたちの集団は

心が柔らかく 意欲的・建設的だ。

保育者たちも母たちも 意欲的・建設的であるから

高階幼稚園は 中身が満ちて 豊かな

充実の集団だ。

あの建物が 幼稚園なのではない。

その中身が幼稚園なのだ。

建設的の反対は 破壊的。

破壊的な集団は たくさんあるけれど

こんなに建設的な集団は めったにない。

大切に守っていかなくてはーーー。