自己充実のために

一人やってきた その時から

保育が始まる 幼稚園の水曜日。

誰からともなく始まった ♪ことしのぼたん。

お耳をからげて すっぽんぽん!

ヒーローたちも やってくる

エイエイオー!

お花畑ステージの幕開けは

今日も ♪おむすびころりん。

何度やっても おもしろい。

自分ではない いろいろな者たちになって

昔話の世界に浸ることは

子どもたちにとって 特別なことではない。

日常に行っている ごっこ遊びに

音楽が加わることで

共通のイメージが生まれる。

小さい人たちも 夢の世界が共有できるのだ。

美しいメロディーやリズムに

心も身体も 揺り動かされ

お友達と一緒になって

始まりから大団円までを 表現する。

身体の表現が中心で

言語劇でないところも

幼い人たちに 似つかわしい。

互いの身体の動きから いろいろを想像し

夢の世界を膨らませることができるからだ。

「あめチョコさんもやって」と

小さい人からリクエスト。

♪あめチョコさん あめチョコさん と

エンドレスに続くダンス。

自分の番がくるまで

やめたくないもの。

みんなおいしそうな あめチョコさんだ。

♪にっぽんじゅうのかぜのこが~ も

大好きだ。

♪なのはなつんで おままごと

なのはなつんで おままごと~

なのはなをつんで お料理するダンス。

何を作って 誰にごちそうしてくれるのか

興味津々のお客様たち。

それぞれの遊びを

もっとおもしろくするために

遊びに使うものを 作り足す。

子どもたちは

自らをもっと充実させるために 一生けんめいだ。

保育者たちは

子どもたちの“達成”のために 一生けんめい。

子どもたちの一生けんめいと

保育者たちの 一生けんめいが

幼稚園中に 満ちているーーー。