銀杏の黄色と雪景色。
秋と冬が仲良ししている
幼稚園の朝。
寒い寒い朝。
こんな日は
温かなお部屋が嬉しい。
1人、また1人やってくる
海の組の
楽隊。
指揮者がいるところが
海さんらしい。
指揮者を信頼して
いいタイミングで打っているところも、
海さんらしい。
指揮者が交代しながら
仲良く演奏するところも、
また 海さんらしい。
作りながら
「ヤクシー!」の声。
ついつい踊り出す人。
和やかな海の組の朝。
作りものに忙しい
川の組。
作ったもので遊びたい
川さんたち。
水族館でイルカショー。
輪っかを上手にくぐっている。
ペンギンさんたちも
ついついやりたくなっちゃう
輪っかくぐり。
ノコギリザメは
ヒーローショーにも出演する。
大型積木で作ったステージに
集まってくる
ヒーローたち。
作る方も大忙し。
頭も身体もフル回転。
音楽に合わせて
リズミカルに戦う
ヒーローと
ヒロイン。
みんなの熱気で
窓ガラスがこんなに!
子どもたちにとっては
何もかもが
遊びのヒントになる。
何もかもが
おもしろい。
池の組も
熱中が始まっている。
作る人がいる。
作って満足すると、
作ったものを使って
遊ぶ。
ブロックで作る。
紙で作ったものや
動物人形たちと
一緒に遊ぶ。
恐竜さんたちは
モノレールに乗っている。
「モノレールはスピード出さないんだよ」
と、お兄さん恐竜。
時々 速く走りたい人もいたりして、
会話によるイメージの共有は
まだ難しい。
けれど、
なんとなく受け入れ合い、
仲良く遊んで、えらい。
みんな
心が柔らかい。
雪で登園が遅くなったお友だちも、
もう熱中が始まった。
「おそい おそい!」
「だって 雪なんだもん」
楽しそうな子どもたち。
お母さま方も楽しそう。
今日は 編み物教室なのだ。
我が子のニット帽を
自分の手で編みたいんだもの。
みんな真剣。
子どもたちとおんなじ。
ね?
似てるでしょ?
川の組では
♪ブレーメンの音楽隊♪の劇ごっこが
生き生きと続いている。
お母さまたちと保育者の、
あの 劇のいっしょうけんめいを
再現しているのだ。
いっしょうめんめいは
楽しい。
何をするにも
いっしょうけんめいがなくては。
お話の世界の生き物たちも
こんなにいっしょうけんめい
生きているのだ。
「子どもたちと一緒に
劇をしたい」
川の組のお母さま方が
そうおっしゃって、
子どもたちも
「わぁ!やろう やろう!」
ということになった。
母子共演は
きっとおもしろい。
どなたが
どの役になるのか、
母と子で話し合うのも
きっと
おもしろい。
♪カスタカチカチ♪も
毎日続いている。
3拍子に変わるところの
おもしろさ。
忍法のように打ち方が変わる
カスタネットのおもしろさ。
木の葉返し打ち。
小鳥鳴き打ち。
あっ、トイレから出てきた。
ちゃんと手を拭いて、えらい。
アルペジオ打ち。
間に合ってよかった、
くぼみ打ち。
みんなの
いっしょうけんめいなお顔。
♪線路は続くよどこまでも♪が
始まる。
電車の役、
トンネルの役、
木の役、
海の役、
お花の役。
降り続く雪のリズムと
子どもたちのリズム。
響き合う
地球の仲間たち。
おまけ。
お花先生大忙しのため、
一昨日の生活から、
深秋の幼稚園の
子どもたち。
落ち葉の
小径。
♪ひのこ パチパチ
おこりんぼう♪
♪ひのようじん♪のリズム。
プロ野球
ようちえんリーグ。
みんな、
なんて上達したのだろう!
投げたり
打ったり、
スバラシイ!
池さんの♪うらしまたろう♪に
川さんが来てくれて、
竜宮城へ。
乙姫さまのごちそうに、
タイやヒラメの舞踊り。
ふるさとを思う太郎。
お別れの時が来た。
「フタを開けないでね」。
帰ってみれば どうしたことか、
顔も知らない者ばかり。
心細さにフタを取る太郎。
中からパッと白煙。
たちまち太郎はおじいさん。
たちまち白い冬になった幼稚園。
一昨日の小春日和が
ずいぶん昔のことのように思える、
初雪の幼稚園―――。