明日の門出を祝うかのように咲く
園庭の花たち。
山の組年長児たちの生活の花も

咲き誇っている。
打ち込んで遊べる最後の時間を
式の練習などで 無駄に使ってはならない。
続いている遊びに工夫を凝らし
もっとおもしろいものにしなければ。
山の組の仲間たちとアイデアを出し合って
一生懸命遊ぶのだ。
今日の充実へ向かって。

私ども保育者は 何十年もの間
子どもたちのイメージが生まれる瞬間に出会ってきた。
イメージとは 見えないものを見る力だ。
うんと小さかった年少児の頃のそれは
まだ淡いものだったりするから
一人ひとりの思いを引き出し
はっきりとした形に表せるよう
子どもに乗り移るようにしながら 生活してきた。
そうしていきながら だんだん大きくなった子どもたちは
自分だけでなく
友達とイメージを共有しながら
力を合わせて遊ぶようになってくる。

友達との遊びにも見えない心の力が働く。
相手の思いを受け入れながら
始めた遊びが充実するよう
お互いに工夫や努力を行う。
引き出したイメージを
もっと広げたり深めたりする時期が来ると
一心同体に徹していた保育者は
ある時は一心同体で
ある時は子供の輪の外側から
遊びを支える役割に変身していく。
長く根気よく遊びの生活は続き
自ら感じ考え判断する子供へと育っていくのだ。
子どもが始めたことを大切にする生活は
保育者の判断力が問われる。
“常識”も考えなければならない。
年少児の頃の子どもには
良いことと良くないことの区別がつかない。
このことはよく園便りに登場している。
ご家庭の教育にも役立っていると思う。が
子どもが始めたことを否定ばかりしていたら保育は生まれてこない。
子どもたちの心の声に
本気になって耳を傾けることがなかったら
幼児教育は始まらない。
幼児期こそが人間の根の部分を作る。
根っこは地面の下にあって見えないけれど。
どの子供もきっと心の奥底で思っている。
豊かな自然 豊かな時間や空間
豊かな人間関係 高みへ向かう気概
これらがあれば自分たちは立派に育っていけると。
成長の喜びに輝く年長児たちに
保育者たちは心が残る。
本気で尽くしてきたつもりだったが
行き届かなかったことが多くあったことだろう。
だが、子どもたちとの間には強い絆が育った。
それは目に見えないけれど
巣立っていく一人ひとりのこれからを
支える太い絆だ。
雨の日風の日があろうとも
この見えない絆がきっと必ず 力を発揮してくれるに違いない。
そう信じ、寂しさをこらえる
3月 春日影の幼稚園ーーー。


