お花先生大忙しのため、
今日は18日(金)の生活から始まる。
どっさりの落ち葉。
天の高みからやってくるお友だちと
1年ぶりの再会。
また巡ってきた この季節。
嬉しくてたまらない子どもたち。
「いっぱい集めて焼いもしよう!」
はりきる海さんたち。
川さんたちの
研究所も
落ち葉のお庭にお引越し。
足が届くようになったから、
自分で漕いでみたくなった三輪車。
大人の手を支えに、
心は自分で漕いでいる。
なんてえらいのだろう。
「せんせーぇ!」
飛んでくる きょうこ先生。
ああ、
お友だちがハサミを使いたいのだ。
池さんの、3月生まれのお友だちが
初めてハサミを使うのだもの、
神経を集中させて見守る
お友だち。
温かい
お部屋。
川さん女児に人気の
お花先生カメラバッグ。
撮ったり撮られたり、
本気の3人。
保存しておいた
去年の落ち葉を足して、
焚火が始まった。
あの焚火の中に
さつまいもが入っているのだ。
うちわは夏だけのものじゃない。
幼稚園のうちわは
一年中大活躍だ。
あおぐ、
あおぐ
あおぐ、
あおぐ子どもたち。
おいしいおいものために
いっしょうけんめい あおぐのだ。
海さん川さんにとっては
落ち葉の季節の
恒例だけれど、
池さんたちには
初めての焚火だ。
こんな大きな火も煙も
きっと初めて。
ツリーハウスで「アッチッチ!アッチッチ!」
と 驚く池さんもいるけれど、
おまわりさんが見守っているから
安心だ。
♪ひのこ ぱちぱち
おこりんぼう
おこらすな
おこらすな
ひのようじん
ひのようじん♪
誰からともなく
歌いだす。
いいなぁ、幼稚園って。
焼けるのを待つ間、
お花畑ステージが活躍する。
海さんたちが
♪ブレーメンの音楽隊♪を始めた。
この音楽劇は
他のものより少し長いので、
こんな時ちょうどいい。
熱くなったほっぺたに
ちょうどいい涼しさだ。
海さんたちの
身体の使い方と
表現力に感心する。
一人ひとりが
いつのまにか
こんなに成長していたのだ。
あうんの呼吸が
すばらしい。
いつのまにか
こんなに いい仲間たちに
育っていたのだ。
海さんたちが拍手を浴びている
その時、
早退するお友だちが
初物を ふうふう、ぱくり。
「うーん、おいしい!」
「サイコーだね!」
初めての焼いもの
おいしいこと!
みんなが手伝って
焼いたんだもの、
おいしさが違う。
あつあつで ふうふうの
おいも。
素朴な甘さのおいも。
幼稚園のお庭で
みんなと食べる
おいも。
高階幼稚園の
卒園青年の家、
“おいもほりの武藤園”
からいただいた
どっさりの おいも。
落ち葉もおいもも たくさんあるから、
何度だって焼いもが食べられる!
そして今日。
カツラの葉っぱが どっさり!
いい匂いに うっとり。
初めての落ち葉の季節に
不思議そうな
子どもたち。
これからしばらくは
この熊手が
活躍する。
落ち葉の小径を歩く。
走る。
線路にもなる。
お部屋で始まった音楽劇は
♪ブレーメン♪。
池さん川さんの
仲良し劇団だ。
楽しかった誕生会の再現が
毎日続く
幼稚園。
それぞれが
役になりきって
お話の世界に浸っている。
生き生きとした表情。
のびのびした表現。
子ども自ら
どんなに嬉しいだろう。
どんなに満足だろう。
幼稚園って
何かの行事で、大人に見せるために
劇をやらせている、
と思っている大人が多いけれど、
それは違う。
確かに、
そういう幼稚園は多いけれど、
ここは違う。
子どもたち自らが
やりたくてやっているのだ。
保育者たちは
その中に
そっと教育を入れている。
子どもたちは、
ただ遊んでいる と思っている。
幼稚園の教育は
こうでなければならない。
子どもの外側でなく
中身を育てるのが
幼児の教育。
いつとはなしに
いつでもしているのが
幼い人たちのための教育だ。
小学校を小さくしたような
受け身の教育であってはならない。
人生の基本、
自ら感じ考え、
判断して生きていく人間を、
この幼児時代に
育てなければならないのだから―――。