水曜日。
秋めいてきた幼稚園。
どの人も機嫌が良い。
今日も
いい1日の始まりだ。
川さんたちは
♪ブレーメンの音楽隊♪
どろぼうをやっつける場面が
もう始まっている。
音楽を聞きながら
作りものも。
池さんたちも
作りたい。
小さなお手々が よく動き、
心もよく動く。
海さんたちは
運動会を楽しみに
世界の旗を作っている。
幼稚園のお庭には
自然の教材がどっさり。
あ 色鬼が始まった。
「オニさんオニさん何色ですか?」
「白!」
「黒!」
走って走って
くたびれたら、
ピザを焼いて食べよう。
台風で落ちた枝も
ありがたい自然の教材。
お母さんのお弁当を味わって
元気漲る海さんたち。
野球の後は テニス!
海の組のアスリートたちの
本気!
本真剣!
恐竜を育てている
ツリーハウスの向こうの
お花畑ステージで
ダンスが始まる。
身体が動くと 心が動く。
心を動かされた子どもたちが
踊りの仲間に。
心が動くと
身体が動く。
身体が動くと
心が動く。
ここにも
心動かしている子どもが。
聖火の場面の
感動!
大きい人も 小さい人も
心が一つになる。
そして木曜日の朝。
幼稚園のお庭に
こんなものが!
何だろう!
投げてみると
あ、入った!
わあ!
おもしろそう!
投げてみる。
あれ、入った!
一つ入ると
ずっと 嬉しい。
玉入れって なんていいのだろう!
仲間が増えて、
どんどん増えて、
どの人も 一つ入ると
ずっと嬉しい!
玉入れの魔法。
一つ入ると
きっとまた入る。
絶対入ると信じられる。
カゴを一杯にするところから始まる
玉入れ。
最初からルールに入れることは
しない。
ルールは
だんだんできていく。
小さい人たちは
運動会があることなんて
よくわからない。
運動会が終わった時、
今日やったのが運動会だったんだ と、
楽しかったからまたやりたい と、
意欲が満ちる。
それがいい。
子どもの生活全体を
運動会に向けることは
しない。
いつもの遊びの中に ひとつ、
*運動会*が増えた。
そんな感じ。
いつもの日常の一つひとつが
大切だからだ。
小さな一つひとつから始まって
知らずしらず
いつのまにか
大きな力に
育つのだから―――。