音楽リズムの教育環境

お庭の隅に咲く福寿草が 春を告げる。

木曜日の朝。

恐竜研究所の研究員たちは

今日も仕事に励んでいる。

こちらはきょうだいすずめたち。

♪こえだに こえだに

きょうだいすずめが 三羽

にいさんすずめは おこめずき

なかのすずめは このみずき

おとんぼすずめは むしがすき

だまって三羽が ならんだ

子すずめたちの踊りの

かわいいこと かわいいこと。

きょうだい 仲良く

心豊かに 育ってほしい。

きょうだい忍者たちは

おすもうの曲が聞こえる

山の組へ。

もう一人のきょうだい忍者は 作り物に夢中。

東の横綱。

西の横綱。

どちらも強そうなのに

勝ったり負けたりするから おもしろい。

お客様が増えて

人形劇は ヘンゼルとグレーテルに。

熱中するお客様たち。

テラスでは

研究所を広げる工事が始まっている。

ヘンゼルとグレーテルは

だんだん佳境に。

おかしの家ができあがると

この反応!

魔法使い役の 表情。

なりきっているのだ。

真剣な観客。

あっ、白鳥が!

感動のラストシーンに

拍手 拍手!

子どもさながらの 遊びの生活を壊さず

その中に教育を入れていく幼稚園の

朝は忙しい。

続けていた遊びに 工夫を加え

もっとおもしろくしようと

一生けんめいだ。

子どもも保育者も

今日を充実させるため

持っている力を 精一杯使う。

保育者たちは

幼児らしい生活の中で

一人ひとりを 教育しているのだけれど

子どもたちはただ 楽しくおもしろく

一生けんめい遊んでいるのだ と思っている。

自分たちは教育されている と思っている子どもは

一人もいないのだ。

自由な遊びを中心とする この保育は

豊かな環境を用意しておくことが 必須。

けれど、音楽リズムの環境だけは

用意しておくことができない。

保育者たちの身体が リズミカルに動く

歌やダンスや音楽劇が

子どもたちの目の前で 繰り広げられること。

それが 子どもたちの音楽リズムの一番いい環境になる。

それで あの誕生会が始まったのだ。

以前は 保育者たちだけで

ステージを作っていたけれど

いつの頃からか お母様がたも一緒になって

子どもたちの音楽環境になっている。

きっと お家の音楽環境も

豊かになっていることだろうーーー。