カレー幼稚園のおいしい味

朝の光が眩しい火曜日は

嬉しいカレー幼稚園。

張り切る恐竜たち。

「いたいよー いたいよー」

心配そうな 仲間たち。

“えーよー”の 注射や

“いたみどめ”の お薬で

事なきを得る 恐竜くん。

今日も 恐竜研究所が活躍している。

恐竜たちは ここにも。

水を飲む 恐竜。

肉食の恐竜。

「幼稚園の動物だから

ウソッコに食べるのね」

その方がいい。

動物を作った女児たちのひんしゅくを買う。

自ら考えた「ようちえんすごろく」

クラスメート全員を 登場させる構想。

うーん 難しい!

諦めず 頑張ろう!

春めく園庭で

今日も仕事に精を出す 研究員たち。

しっとりとした園庭が 嬉しい

山さん女児たち。

「あ、海に落ちちゃった!」

森さんたちも まねっこ。

カレー作りの 材料集め。

研究員たちのために

カレーとおみそ汁を 作るのだ。

おや 研究所に新人が。

おお、熱心に働いている

前途有望な 新入社員たちだ。

森さんたちの熱中。

あっ 新幹線が!

あちこちに神経を配る 担任。

お面作りの途中の 女児たち。

こちらの女児は 自分で貼り始めた。

線路修理の 鉄道員。

先生が来なくても

でこぼこを直している。

一人ひとりが

目的のために 一生けんめいだ。

厨房には

おいしい匂いが立ち込めている。

お母様たちも カレー屋さんになりきって

一生けんめいだ。

腕揃いのお母様たち。

今日のカレーも きっとおいしい!

ああ、早く食べたい 山の組。

いい匂い!

いただきます!

「ああ おいしい!」

「サイコーにおいしいね」

カレーを食べる時

いつも「サイコー!」と言っていた

今は小学生の Sちゃんを思い出す。

小学生になっても

中学生になっても

高校生に、大学生に、大人になっても

幼稚園のカレーは

おいしい思い出の味なのだ。

森さんたちは 何も言わない。

無言でパクパク食べる。

ずっと無言。

おいしいから夢中なの。

まだ 誰も何も言わない。

夢中で食べている。

おいしくて おいしくて

おいしくてたまらない。

まだ 誰も何も言わない。

「おかわり!」あ、声がした!

嬉しい子ども、嬉しいカレー屋さん。

お料理サークルのお母様たちは

無心な子どもたちに

いつだって感動する。

だから カレー幼稚園は いつまでも続くのだ。

幼稚園がある限りーーー!