幼稚園の朝

幼稚園の金曜日は

カブトムシの誕生日だ。

山の組の 腐葉土の中から

大人になって出てきたのだもの。

なりたてのカブトムシだから

「小さくてツルツルだね」

一人またひとり やってくる幼稚園。

子どもも 大人も

新しい誕生に 心が躍る。

あの ブヨブヨした幼虫が

どうしてこんなに かっこ良くなるのか。

生命の不思議が胸を打つ。

一人やってきたその時から

保育が始まる幼稚園の

森の組の朝。

思いを形にしたい 子ども。

一人またひとり

やってくるお友達。

行ったり来たりの 保育者。

その間 だんだんできあがる クレーン車。

お友達の製作の具体性が

それぞれの 心を頭を動かす。

お友達は いちばんの

教育環境だ。

お友達が 作っていると

ぼくも あたしも 作りたくなる。

カブトムシも頑張った 山の組は

他にも えらい人がいるらしく

賞状を作っている。

えらい人が いっぱいいるらしい。

おままごとのお家には

おひめさまが住んでるってことね!

今日は あたしがお母さん。

朝ごはん作るのね。

ツリーハウスからは

おいしい匂いが!

虫さんたちは 木の蜜。

子どもたちは まぜごはん。

なかよしたちの朝ごはんが できあがる

幼稚園の朝ーーー。