幼児教育を浸透させるために

金曜日の朝。

積み木のお部屋には

遊ぶために 作り続けたものたちが

子供たちを待っている。

作っては遊び

遊んでは また作り

もっとおもしろく遊ぶために また作る生活だ。

一人 またひとりやってくる

幼稚園のお庭。

山の組の朝は

すみっコ神社のお参りから始まる。

おみくじを引き

今日の吉凶を 占うのだ。

皆 神妙なお顔をしている。

中吉の子ども ちょっと不満そう。

おお 大吉か!

いいことが記してある。

おお また大吉!

お友達の幸運を 喜ぶ子ども。

みんな いいお友達だ。

森の組も 朝から忙しい。

ぼく こんなに上手に切れるんだもの!

あたしたちアイドルだから ライブコンサートするの。

ぼくは イルカのお世話もする警察官なの。

さっきから聞こえている♪ちびくろサンボ。

小さいトラくんの 威嚇。

脅えるサンボ。

気を取り直す サンボ。

大トラの迫力に

つい身体が動いてしまう 観客。

それぞれが 自分で考えて

思いきり表現している。

お話の世界に 浸りきって

どんなにおもしろいだろう。

誕生会での 大人たちのステージを

自分たちの遊びに 取り入れているのだが

子どもたちのほうが ずっとずっとすばらしい。

大人たちはやっぱり

子どもたちにはかなわない。

子どもたちはそれぞれ

その役をやるのでなく

その役になってしまっているのだもの。

私たちの先生は

子どもたちなのだなあ。

ホットケーキのいい匂いが漂う。

おいしいおいしい!

オリンピックマーチもやりたい。

満3歳児から年長5歳児までの

小さい大きい オリンピックを

出来上がったばかりの楽器で

盛り上げるアイドルたち。

曲想に合わせて 真剣だ。

サンボのヤシの木が 聖火台になって

 

子どもたちを見下ろしている。

アイドルたちも

製作を終えた子どもたちも

ステージの人に。

いいもの、おもしろいものを観ると

心が動かされる。

心が動くと 身体が動く。

身体が動くと                                                                                           
もっともっと 心が動く。

幼児の心と身体は

動きたくてたまらないのだ。

そういう幼児の特性をとらえ

幼児の心と頭と身体を

より以上にリズミカルに 生き生きと動かし

内面まで伸長させようとする生活。

音楽リズムを 広く深く考える時

求められるのが 保育者たちのリズミカルな身体の動きだ。

豊かな表現

豊かな思い

機敏な頭の働きだ。

それがあればこそ

子どもたちとの 何気ない日常の中に

教育が浸透していくのだ。

いつとはなしにいつでもーーー。