いつだって運動会

ポツリ ポツリ お空から落ちてくるのは

雨だ。

絵本のお部屋で

今日の運動会を待っていた

道具たちも

心なしか 気落ちして見える。

天気予報はどうしたの

この頃当たらないじゃない と

話しているようにも見える。

運動会に飾られる旗たちは

せっかく延びた運動会なのだから

もっと仲間を増やしたい

そう思っているようにも思える。

雨が止んだ。

白いラインを走る

走る 走る。

運動会は今日じゃないけど

また今度のお楽しみ。

がっかりしなくていい。

山ぶどうも 色づいた。

食べよう食べよう 秋の味。

小粒だけれど 野性味たっぷり。

お日様の手ごころで

甘かったり酸っぱかったりするから

おもしろい。

ひとつ食べると またひとつ

またひとつと 後を引く。

カマキリさんもごはん。

バッタがこのごろ少なくなって 捕まえるのが難しい。

秋が深まりつつあるのだ。

こちらも 虫。

虫のお家から すべり台が伸びる。

エントツくぐって

着地!

すべり台は 大成功!

♪まってたまってた うんどうかい♪

楽しみが持ち越され

朝のがっかりは 跡形もない。

幼稚園のあちこちで

子どもたちの意欲が 形になっていく。

子どもたちにとって

いつもの生活が 運動会なのだもの。

今日の大切さは

運動会であってもなくても 変わらない。

一生けんめいは 楽しい。

苦しいこともあるから 達成が楽しい。

一生けんめいは苦楽しいのだ。

子どもも大人も

簡単なことばかりしていたら

きっと おもしろくない。

子育てもそう。

人間を育てるのは 簡単なことではない。

だから おもしろい。

だから 苦しく 楽しく

苦楽しいのだ ーーー。