まってたまってたカレー幼稚園の朝。
お料理サークルの
お母様たちは
厨房で大忙し。
たくさん遊んで
おなかがすいた頃
カレー屋さんがやって来る。
ああ、いい匂い!
いただきます!
カレーに夢中な
池さんたち。
「おいしい」と
つぶやく子どもがいる。
「おいしいよ」と
カレー屋さんに
伝える子どももいるけれど
小さい人たちは たいてい
無言でほおばる。
おいしくて おいしくて
夢中なのだ。
カレー屋さんたちは
無心にほおばる池さんたちに
心を打たれる。
中学のお姉さんのお母様も
8年前まで
カレー屋さんだった。
海さんたちは
何回
幼稚園カレーを
食べたのだろう。
秋になると
「そろそろだね」。
冬になって
「春になると 終わっちゃうけど
また秋に食べられるよね」。
けれど、
海さんには「あと いっかい」なのだ。
そんな日が
来てしまったのだ。
川さんたちには
まだ そんなことは
わからない。
おいしくて
おいしくて
たまらない
嬉しいカレー幼稚園だ。
「おいしい!小さい頃食べた味!」と
お姉さん。
この小さい人たちも
あっという間に こんなに大きくなる。
小さいうちは
あっという間だ。
お母さんの味と幼稚園の味を
思う存分味わわせよう。
子育ての味をかみしめながら。