幼児期に使うべき力

卯の花腐し というけれど

よく降る雨の朝。

山の組のお部屋に


お庭で捕まえたカミキリムシが2匹。

「きっとかぞくだね」

「きょうだいじゃない?」

「これヒゲ?ツノ?」

カミキリムシは 答えない。


一人またひとり


やってくる 幼稚園。

一人やってきたその時から

始まる保育。

早速始める

王子様の宝箱作り。

昨日からの 続きだ。


森の組さんも

お部屋で静かに遊んでいる。

雨降りだからね。

大人にはわずらわしい雨だけれど

雨の朝を 子どもは好きだ。

傘に長靴 レインコート


大好きなお母様に


いつもより 手をかけてもらえるのだもの。

お庭で遊べなくても

雨のお部屋も 楽しいのだ。

いいことを考える お友達同士なのだもの。

小さい森さんたちも

こんなにお友達同士になってきたのだ。


おやおや!

こんなに小さい人たちが お靴をそろえている!

幼稚園にいると

深く心を動かされることばかりだ。


山さんたちの宝箱は

イメージに近づいてきた。

こうしようと思ったことを 一生けんめいしているうちに

また新しいことを思いついたりしながら

遊びが続く。

自分の考えプラス

お友達同士の思いつきで

遊びがどんどん おもしろくなる。


保育者は子どもの手となり足となり

子ども同士を結ぶ 代弁者となり

ある時は 一心同体


ある時は お友達のようになる。


こうすると もっとおもしろい と

イメージを広げたり深めたりするのだ。

子どもの遊びのイメージが


途切れる その前に。


保育者たちは


子どもたちの達成感のために

持っている機能を精一杯使う。

日常を共に生きる子どもたちにも

持っている自分の力を

精一杯使ってほしくて。

今 使うべき力を使わないまま

時が過ぎてしまわないうちにーーー。