豊かな心を育てる

雨上がりの月曜日。


色づき始めた カツラの葉が


甘い匂いをさせている。


いい匂いの園庭を 電車が走る。

お客様を乗せて走る。



どんぐりも嬉しい。

どんぐりが

坊ちゃん一緒に遊びましょ って

二人をお友達にしてくれた。


まだ続いている 運動会。


イス取りゲームは

運も味方する。

速い人強い人ばかり

勝利するのではない。

だから すごく嬉しかったり

ちょっと悔しかったりする。


砂場の会話。

「でんしゃであそぼって言って」


ツリーハウスの

ここはお風呂。


朝ご飯を食べたら


今度は お掃除。

どういうわけか お口がアヒルさんの女児。

お庭の 花びら集め。



それぞれの遊びに

だんだん工夫が加わり


だんだんおもしろくなり

もっともっと おもしろくしようと


心も頭も身体も 一生けんめい動かす。


満3歳の 新しいお友達も


この 自然幼稚園の中に 溶け込んで


嬉しそうにしている。

なんとありがたいことだろう。


大きい人たちも 新しいお友達を気遣って

力の加減をしてくれている。

育ちを感じ 嬉しい。



幼稚園の そこここで


一生けんめいな遊びが 繰り広げられている。


幼児にとって 遊ぶことは生きること。

感じたり考えたり ためらったり乗り越えたり。


心も頭も身体も動かして

持っている力を 精一杯使ってほしい。



子どもたちの 今日の充実のため

保育者たちも

頭のてっぺんからつま先まで動かして

持っている自分自身の機能を

精一杯使っている。


保育者の毎日は 楽ではない。


10ある力を 11使う。

だからそのうち11が12になり13になり

そうやって 自分自身の力も 伸びていく。

子どもたちのお蔭だ。

教育は お互い。



お母様がたも きっとそうだろうと思う。


地球上で 最も主体的な仕事。


それは子育て。

豊かな心を持った人間を 育てることーーー。