日差しが秋を知らせている
幼稚園の朝。
今日も何かが生まれそうな
自然幼稚園。
生まれた 生まれた
アゲハチョウ。
片一方の翅が まだ伸びきっていない。
昨日までサナギだったのに、
その殻を自分で破って 出てきたのだ。
抜け殻になったサナギ。
「これが弟。
こっちが赤ちゃん」
「うちとおんなじだ」
新しい誕生を喜ぶ 子ども。
不思議に思う子ども。
「ねぇ、アゲハチョウって
どれが本当の誕生日なんだろう」
「卵から出て幼虫になった時と、
サナギから出てちょうちょになった時と」
「どっちも誕生日なんじゃない?」
「いいねぇ!誕生日が何回もあって!」
玉入れから始まった
海さんの野球ごっこ。
仲間たちはまだ来ない。
「早く来ないかなぁ!」
大事にしている
コクワガタ。
見たい 見せたい
仲間たち。
虫捕り少年少女たちの
真剣。
虫たちだって
真剣だ。
三輪車は
またがって歩くもの。
あら、
足がペダルをとらえた。
少し進んだ。
ダンゴムシも捕まえた。
川さんたちの真似をして
虫捕りしたい
池さんたち。
お池のひよこさんたちの
マイペース。
捕まえた!
小さい虫!
ごちそうの飾りつけに
イチョウやクローバー、
コムラサキ。
川さんたちのごちそう作り。
うーん
おいしそう!
さあ、お仕事 お仕事!
今日も思いきり働こう!
働くおじさんと
忍者たち。
出遅れ忍者。
こういうこともある。
今日は
高いところで挑戦。
危機一髪!
池さんは先生がいる時だけね。
野球仲間がやってきて、
嬉しくてたまらない。
「作ったボールだから当たっても痛くないし、
ガラスも割れないよ」
池さんの
忍者ごっこ。
1人始めると みんなやりたくなる。
みんな いいお友だちになってきた。
川さんで続く
ポケモンごっこ。
海さんで続く
野球ボールごっこ。
仲間が増えて
おもしろくてたまらない。
海さんの熱中は
お部屋でも。
手が利くようになってきて
おもしろくてたまらない。
仲良しの川さんたちも
作ることが
おもしろそうだ。
こんなに細かく
描けるようになったのだもの。
いいことを
たくさん
考えられるようになったのだもの。
池さんもやってくる川の組。
こちらは池の組。
おいしいおかしの
お味見。
お家ではお洗濯。
お買いものにも
行かなくちゃ。
「ただいまぁ。これ買ってきた!」
誰かが始めるとやりたくなる
池さんたち。
お池のひよこさんが
ぶらんぶらん、トン!
と上手に飛び降りた。
あたしもできるよ!
できる!
できる!
どの人もうまく身体を使っている。
思ったことが思ったようにできるって、
おもしろい!
ブランコの向こうでは
玉入れが始まっている。
ポケモンごっこの人たちも
仲間に。
カゴに入るよう
考えて玉を投げる。
1つ入ると
いつまでも嬉しい。
ツリーハウスも
運動会のようだ。
高階幼稚園の運動会は
10月9日(日)。
特別な練習はしないで
その日を楽しみに待つ。
子どもたちの生活全体を
運動会に向けることはしない。
いいところを見せようとして
子どもたちを
行事で振り回してはならない。
子どもは、
いつもの生活で育つのだから。
温かく
丁寧な毎日が
子どもの心身を
育てるのだから。
甘ずっぱい
山ぶどうを味わう、
秋の実りの
幼稚園―――。