幼稚園の秋は 嬉しい。
どんぐりの収穫。
クヌギのどんぐりは
大きさが嬉しい。
♪どんぐり どんぐり こーろころ♪。
口をついて出る歌。
楽しみにしていた
ザクロ。
甘くておいしいザクロに
夢中になる子ども。
海さん川さんには
懐かしい味だ。
池さんは 初めて味わう。
「それ タマネギ?」
と 池さんたち。
*タマネギ*を割ると、
宝石のような粒々が並んでいて
驚く。
透き通った美しさに、
驚く。
甘酸っぱいおいしさが
口いっぱいに広がって、
小さな一粒ひとつぶに
夢中になる。
ヒーロー・ヒロインショーが始まる。
変身に使う道具。
立体的に、
できるだけ本当らしく作りたい
海さんたち。
リズミカルな演技に
池さんたちも引き寄せられる。
幼稚園のあちこちで
それぞれの遊びが
展開されている。
持って生まれた
自分の力を使って、
一人ひとりが
いっしょうけんめいだ。
達成感を味わう遊びの一つに
*運動会*を加え、
勢いづく
海さんたちの
生活。
その勢いが
幼稚園の空気を作り、
その空気が
それぞれの子どもの意欲を
かき立てる。
子どもは空気で育つのだ。
幼稚園の空気を作るのは
子どもたち。
そして保育者たち。
子どもも大人も
自分の中身を
思いきり動かして、
せいいっぱい
今日一日を生きるのだ。
一人ひとりの
自己充実のために。
子どもたちの
明日のために―――。