一つ一つ丁寧にーーー

幼稚園の初冬 水曜の朝。

カツラの葉は あらかた土に還ってしまった。


イチョウの下の お花畑ステージでは

昨日も もっとやりたかった


森さんたちの オリンピックマーチ。

大きい人たちのダンスが

あまりにも 楽しかったので

自分たちも もっともっと踊りたい。

心も身体も満足すると

難しいのもやってみたい。


ちょっと手伝ってあげると

短いお手々を精一杯伸ばして 一生けんめい。


♪ドレミの歌だって こんなに上手だ。


こんなに小さい人たちが


感じ考え

持っている力を精一杯使って

生活しているのだ。

日々成長しているのだ。

小さい森さんたちと 共にいて

この頃 心底嬉しく思うこと。

お友達がうっかり落とした カラーペンのキャップ。

ない ないと 探していたら

電車で遊んでいたお友達が

気づいて拾ってくれている。


お友達がかわいがっている お人形のズーマが


ひっくり返っているのに気づいて

立たせてくれている。


一つだけ外に出ていた

オリンピックマーチの旗に気づき

カゴの中にしまっている。


仲良しさんが早退してしまい


がっかりしているお友達に気づき

ただ 黙って一緒にいる数人ーーー。



自ら心を動かし 行動し

お友達と気持ちのやり取りができるようになる。

小さい頃のそういう生活が 積み重なって

だんだん育っていくのだ。

柔らかく広い心が。



その基本があるから


建設的な集団になり


遊びも広く深い


創造性豊かな 大きい組になれる。

積み木は 一つひとつ


丁寧に積み重ねないと

そのうち 崩れてしまうもの。



一つひとつ丁寧に


保育の日々を 重ねていきたい。

お母様がたと同じ心で。

そう思う 冬晴れの幼稚園ーーー。