ポツリポツリと落ちてくる
雨のしずくの 金曜日。
ルリタテハの幼虫たちは 朝ごはんに夢中。
お庭の好きな森さんたちは
テラスでサッカー。
お部屋の森さんたちも
それぞれいいことを考えて
一生けんめい遊んでいる。
新幹線の車両を お友達に
譲れるようになった子どもの 嬉しい変化。
嬉しいお友達と 嬉しい保育者。
シンデレラの靴を履いて遊びたい子ども。
一人ひとりに合わせ 靴を作る担任。
その間にも 積み木の壁が
どんどん高く積み上げられるから 危ない。
ドアで使っている 厚紙の壁を提案
「これぐらいなら 危なくないかしら」
おままごとに目をやり
教師机に戻る前に ブロックの子どもに声をかける。
壁を作っていた子どもたちに
偶然お人形のお風呂が現れる。
ここは「大人のお風呂」になる。
こんなに小さい人たちが
イメージを共有して 遊び続けている。
山の組のテラスには 虫の研究所が。
虫にはそれぞれ 匂いがあるそうで
熱血解説に 心が動く。
嗅覚も動く。
さっきから作っていた太鼓が完成。
ピアノに合わせる 太鼓の達人。
「♪こぶたの大工さん」の振り付けを考え
踊りだす子ども。
今度は「♪どんぐり」だ。
♪どんぐりどんぐり こーろころ
ころころころころ こーろころ♪
「♪かぶとむし」も。
振り付けを考えあうのはおもしろい。
国旗の上達に驚くお友達。
「上手になったねえー!」と 拍手喝采。
イメージを伝え合う 二人。
何を作るのか二人のパティシエたち。
小さい人たちの“お帰り”。
恒例 大好きごっこの三人。
こんなにもお友達になったのだなあ!
さっぱり味の母は
このこってりを 真似してほしいと思う。
お母さんのお弁当を食べて 元気になった山さんが
野球ごっこの準備をしている。
黙々と引く白線の
ためらいのなさに 感動する保育者。
手伝うお友達。
それぞれの中に自分自身への信頼を感じる。
だんだん集まる野球少年たち。
まだ幼児なのだから
投げるのも打つのも
円滑にはいかない。
すべてに時間がかかるのに
なんと根気が良いのだろうと 感動する。
玉入れもそうだが
一回入った嬉しさの あの感じ。
数少ないストライクやヒットの嬉しさが
次への意欲を育てるのだ。
子育て中の母たちだって きっと同じだ。
クヌギの枝に吊り下げた 大ブランコが完成。
子どもたちの“やりたい”を形にしようとする
あきらめない担任。
一緒に生活する大人たちの
意志や意欲が
子どもたちを支えているのだ。
子育ての日常は今日も明日も続く。
でも 永久には続かない。
案外早く 終わりが来るのだ。
短い幼児期を思い切り生きてほしい。
そう願う母と保育者たちの幼稚園が
この 高階幼稚園なのだ。
一生けんめい遊んだ幼児時代が
その人生を支えるのだからーーー。