台風の置きみやげの
強風。
うなる梢。
黄色く染まった
ジューンベリーの葉が
今にもちぎれそうな
幼稚園の朝。
こんな日に
機嫌よくやってくる
子どもたちはえらい。
お母さまはえらい。
小学生たちは
もちろん機嫌がいい。
小学校の振替休日で
懐かしい幼稚園に
帰って来たのだもの。
風があまりに強いので、
お部屋で遊び始める
子ども。
川さんたちの
朝。
お庭に出かけた子どもたちも
帰ってきた。
熱中が始まる
川の組。
池さんたちのだんらん。
製作しながらも、
こうしよう。ああしよう。
こうしたことある?という話に。
塗ったり話したり
両方同時にできるようになったのだ。
楽しそうだこと。
ブロックで作った道具を
電車に乗せて運びたい
ひよこさん。
うまくいった!
あれ、落っこちた!
今度こそ うまくいった!
熱中が始まって、
どの人も
もくもくと あそび始める。
佇む子ども。
先生が気づき
お手洗いへ。
3歳児はおもしろい。
この小さい人たちを
型にはめず、
持っている力を
いい方向に使っていくように
育てるのだ。
まだ 苦労している。
なんてえらいのだろう。
子どもの手の代わりになる
親切な先生。
お友だちも見守る。
嬉しいひよこさん。
よかったねと
お友だち。
お庭から帰ってきた子どもたち。
うがいをしたり
鼻水をふいてもらったり。
おなかがすいたからと
ピザを焼いたり。
海の組には
小学生が。
小学生の遊びは
難しい。
すごろくも難しそうだけれど、
海さんたちが
考えて作ったものだ。
勝負の世界は
きびしい!
きょうだいだって
真剣勝負だ!
どの人も
どの遊びも
本真剣だ。
この間から遊んでいる サメの上に
本当は乗りたい。
でも ヘコんでこわれちゃったらイヤだ。
いいことを思いついた
あやこ先生。
土管を中にはめ込む。
「うん!これならへっこまないね!」
「2人でも大丈夫そう!」
つみきのおへやで
何か始まるらしい。
お客さまが こんなに。
あ、♪したきりすずめ♪だ!
幼稚園児と小学生の
共演だ!
海さんが 川さんだった冬に
毎日よく遊んでいたっけ。
怖いおばあさんの
役どころを心得た
名女優が帰ってきたので、
リバイバルしたのだ、きっと。
昔話の世界に生きる
子どもたち。
それぞれが思いきり表現して、
おもしろくてたまらない。
お別れの場面に
心がこもる。
ああ おもしろかった!
ちょっと怖かったけれど、
とお客さまたち。
幼稚園の生活は
一人ひとりが主人公。
一人ひとりが
今日一日のドラマを
いっしょうけんめい生きる。
雨あり風あり台風ありの人生を
いっしょうけんめい生きられるように。
いっしょうけんめい遊んだ
幼児時代が
その人生を支えるのだから―――。