おいしいおいしい幼稚園

幼稚園に氷が張った 水曜日。

今日は 待ってた待ってた カレー幼稚園だ。

厨房には

お料理サークルのお母様たちの

熱気が漲っている。

おいしいカレーを 楽しみにしながら

遊ぶ嬉しさ。

一生けんめいカレーを作るお母様たちと

共鳴するように

一生けんめい“作る”生活をする 子どもたち。

子どもたちの一生けんめいに

お母様たちが共鳴しているのか

どちらがどちら など

まるでわからないように

一生けんめいな空気が

幼稚園中を 満たしている。

“空気の教育”。子どもは空気で育つと

外山滋比古先生が いつもおっしゃっていたけれど

本当にそうだ。

一生けんめい遊ぶお友達に

心を引き寄せられて

自分も 一生けんめいになる。

一生けんめいな空気が

子どもたちの周囲に流れる。

“おふざけさん”や “投げやりさん”が

たくさんいる幼稚園には

そういう空気が流れていて

打ち込んで遊ぶことは 難しい。

ツリーハウスの住人たちは 避難訓練ごっこ。

先日 避難訓練したものね。

地震の時の練習のようで

人形たちにも布団をかぶせている。

逃げる時には 頭を守らないといけないから と

ニット帽をかぶる家族。

火災も発生したらしく

ハンカチを口に当てて 完璧だ。

ぼくも お店屋さんごっこに入るよ。

あ、カレーのいい匂いが!

腕によりをかけた

おいしいカレーが 出来上がり。

嬉しいカレー屋さん。

嬉しい 子ども。

おいしい匂いが 立ち込めて

“いただきます”が 待ち遠しい。

「いただきます!」

おいしいと 無言になる子ども。

だって 夢中になっちゃうんだもの。

幼稚園のカレーが どんなにおいしいか

お料理サークル以外の大人たちは

知らないから 知りたい!

お味見してみたい!というわけで

絵本のお部屋で試食会をすることになった。

お母様たち、

あまりのおいしさに きっと驚く!

子どもへの 豊かな

深い思いが込められた

優しくてコクのある この味が

もう 何十年続いているのだろう。

ありがとう ありがとう!

ありがとう ありがとう!

ありがとう お料理サークル!

ありがとう お母様たちーーー!