幼稚園の親切

寒さがゆるんだ 水曜日。

キンカンの木の足元に 福寿草が咲きだした。

花言葉は「永遠のしあわせ」。

子どもたちの熱中が続く


11時過ぎの幼稚園。

積み木のお部屋は 学校研究所になった。

体育の時間もあるようだ。


小さい人たちが困っていると

大きい山さんがやってきて

何も言わずに 手伝っている。

自分が作ったトンカチではないのに

こわれているからと 直している。

困っていると

誰かが手助けする。

保育の日常の 保育者たちの親切が

子どもたちの親切心を育てているのだ。



仲良くね などと言わなくても

皆親切な心を持っているから

助け合い


イメージを共有しながら

仲良く長く遊ぶ。


森さんたちは

ランドセルやドールハウスを作っている。

粘土で熱中した後に

使った紙皿を お友達の分まで

こんなにきちんと 片づけている。



テラスの野球ごっこ。

さっき作った 山さんのユニフォームを


小さい森さんに 先に着せ


それから山さんに着せている。

バッター げんだそうすけ。

ピッチャー やまもとよしのぶ。

やまもとよしのぶの親切な球を

打ち返す げんだそうすけ。

集まる 野球ファンたち。


玄関ホールでは

なまはげ神社(なぜか)の写真撮影。


親切なお友達が「しゃしんとっていいよ」


小さなカメラマンたちの カメラワーク。

被写体は何なのだろう。


獅子舞か

それともごちそうか。

それぞれの子どもの 心のフィルムに

その画像を結ばせている。

本当には写らないから

誰でも 名カメラマンになれる。

子どもの世界はなんていいのだろう。


まだ続いている 野球ごっこ。

ピッチャーは らいおんまる!

お次のピッチャーは むーきーべっつ!

まいくとらうとが キャッチャーか!

あ、お父さん!

ひよこさんたちは お帰りなのだ。

山さんに褒められる げんだそうすけ。

「もう少しがんばったら 山さんになれそうだよ」と。


卒園1年生の親切。

園児たちを喜ばせようと


電車の絵のプレゼントが届いたのだ。

「たかしなようちえんせん」まで 考えて描いてある。


かんこうれっしゃだそうだ。


幼児教育のかんじんは

「親切」これに尽きる。

「親切」がその子どもの持つ力を

引き出し 広げるのだーーー。