春に向かって

春めく 月曜の朝。


春の行進が始まった 幼稚園のお庭。

おそろいのハンカチが嬉しい 森さん。

このハンカチたちが

その後 こんなに活躍している。

小さい人たちもみんな

いいお友達になったのだ。

だってもう 3月なんだもの。


しばらくすると 落ち着いて

もう泣き声は聞こえない。

ごっこ遊びは おもしろい。


お友達は おもしろい。


お庭の森さんたちは お仕事か。

小さい人たちは ものごころがついて 初めて

なんとなく 漠然と

春の訪れを 体感していることだろう。



山さんたちが 研究所に飾るための

虫たちを作っていたら


木の枝にあいていた

穴のことを思い出した。

そういえば あの穴から

木屑が落ちていたっけ。


ノコギリで切って 調べてみる。

何かの穴があいている。


これはきっと カミキリムシだ ということに。

そうそう ここは虫研究所として

発足したのだった。



春になって 虫が動き出し

また「虫研究」ができる嬉しさ。

去年の春 お庭に住んでいた

花や虫たちと再会でき

大きい人たちは しっかりと

大地の春を感じているに違いない。


始まったのは リレーごっこだ。


大好きな エンドレスリレーだ。


春の日差しを浴びて 走る!

風を切って 走る!

自分の手足が思うように動く 嬉しさ!


走ることは 楽しい!

お花先生だって楽しいのだから


子どもは どんなに楽しいだろう!


大きい人たちは 小さい人たちのために


ちょっと加減して走る。

小さい人が嬉しいと 嬉しい。


いつも満足しているから できることだ。

不安や不満を心に抱えていたら


嬉しさの共有なんか できないもの。

走ろう!

走ろう!

思い切り!


走ろう!


走ろう!


走ろう!


走ろう!


リレーをしたら 綱引きもしたい!


運動会でやったものね!

オー!エス!


オー!エス!

オーエスって フランス語なんだって。


それ引け!ということなんだって。


オーエス!オーエス!

オーエス!オーエス!


引っ張ったり 引っ張られたり

なかなか勝負がつかない。

みんな ヘトヘトになっている。

わー!勝った勝った!


小学生のお兄さん。

お疲れのご様子。


わあ お兄さんの手 大きいねー!


比べっこする 山さんたち。

嬉しいみんな。

あらら、森さんたちまだやるの?


綱引き 再開!


裸の梢の 影法師が

またむくむくとした 濃い木陰になり

季節は巡っていくのだ。

蝶が飛ぶ 明るい春へ向かって

綱を引こう!

オーエス!オーエス!---