人間の力

春暖の火曜日。

幼稚園の朝が 始まる。

いつもの朝の 嬉しさ。

今日も一生けんめい遊ぶのだ。

お祭りごっこを

もっと おもしろくしたい

山の組の仲間たち。

森の組の 小さい人たちは

もちろん 工事ごっこ。

工事のおじさんになって

道路工事を見に行くのだ。

今日も一生けんめい働く 工事のおじさん。

熱中夢中の 森さんたち。

自分も工事場の仕事人になってしまうのが

小さい人たちの いいところ。

コールタールを撒くからと 見物はここまで。

山さんたちは

お祭りを盛り上げるため

お空を鯉のぼりで飾ろう ということに。

春の日差しに 勢いを感じてのことだろう。

イメージを形にしたい。

山の組のお部屋にも

蝶々が作られ

若葉も芽吹いた。

おままごとのお家にも

春が来た様子。

鯉のぼりが 泳ぎ始め

嬉しい子どもたち。

嬉しい 嬉しい

嬉しい 子どもたち。

残り少ない 園生活。

年長山さんたちが

思いの限りを尽くせるよう

精一杯の力で 生活する担任。

森の工事組は

懐かしい「ちいさいお庭カフェ」で

ガソリンを入れたり

遊んだり。

赤ちゃんの時遊んでいた 滑り台は

こんなに小さかったことに

驚く子どもたち。

その頃 厨房では

お料理サークルのお母様たちが

明日のカレー幼稚園の準備に 一生けんめい。

積み木のお部屋では

さっきから ごっこ遊びが熱心に行われている。

リボンを付けたお姫様を

動物園に連れていくのだ。

大型積み木で作られた 乗り物は

車になったり

レストランになったりして

夢の世界で 活躍している。

持って生まれた 子どもたちの力を

精一杯使わせるために

幼稚園は あらゆる環境を 用意している。

一人ひとりのために

よく練られた教育環境は

保育者たちが こしらえるのだ。

幼稚園というところは 人間の力でできている。

お母様方と 保育者たちが

心を一つにして

子どもたちの力を 引き出し、広げ

人生の基本を 造るところ

それが幼稚園だーーー。