本当に効果があるフィードバックのポイント

こんにちは。
ゆうた先生です。

おにわ通信をお送りします。

今回は、私達が日常的にしている「フィードバック」の話。
フィードバックの問題点と理想を考えます。

フィードバックの原則

食器を片付けてくれた夫に「もう少し静かに置いてくれる?」。
帰宅後に手を洗うお子さんに「石鹸をもっと泡立てよう」。
新入社員への声かけ「問い合わせには当日中に返信してね」。

目標に対する行動のズレを修正するためのやり取り。
それがフィードバック。

ムダなく効率的に目標達成するためには欠かせません。

ところで…

フィードバックには大原則があります。
それはゴール目線

どういうことでしょう?

フィードバックという言葉の成り立ちから考えましょう。

この言葉は本来「外部から信号が戻ってくること」という意味。
元は機械の制御に関する用語なのです。

機械の働きを調整し、より早く・正確に目的(ゴール)を達成するために行うのがフィードバック。

ゴール目線がフィードバックの原則、の意味をおわかりいただけると思います。

相手が人間だと、どうなる?

最初に確認したように、フィードバックは、現在では人間関係においてよく使われます。

ここで問題になるのが機械と人間の違い

機械には感情がありませんが、人間にはあります。

このことが問題を引き起こすのです。

機械と人間、それぞれに対するフィードバックの流れを見てみましょう。

相手(機械 or 人間)を観察する「大丈夫かな?」

動き・行動が適切か判断する「○○すべき」

フィードバックする「○○してね」

そしてこの後、機械と人間は大きく異なる反応を示します。

フィードバックに対する、機械と人間の反応の違いを想像してみましょう。

「○○してね」という信号を送る

機械「ワカリマシタ」
人間「そんな言い方するなんて最低!」

こんな具合に、人間はフィードバックに対して怒りを感じることがあります

フィードバックの内容が気に入らないとか。
フィードバックされること自体がイヤとか。

もちろん、全員が必ず怒りを感じるなどということはありません。
それでも、フィードバックに苦手意識のある人は確実にいます。

機械へのフィードバックと違い、人間へのフィードバックでは感情を考慮しないといけないようですね。

フィードバックのダメなところ

本来、フィードバックと感情は無関係

機械へのフィードバックを考えたらわかりますよね。
嫌味で「○○してね」と指示する人はいませんから。

では、目標達成の手段であるフィードバックに対して怒る人がいるのは、いったいなぜ?

もちろん、「攻撃」としてフィードバックが利用されることもあるでしょう。
相手を責めることが目的になっているパターンです。

しかし、「攻撃」の意志がまったくないフィードバックからも、ヒトは「攻撃」の意志を読み取りがち。

行動の修正、それによる目的の達成のためのフィードバックをしても「そんな言い方するなんて最低!」となる状況、想像できますよね。

これ、なぜなのでしょうか?

フィードバックの「バック(back)」は、「後方」や「(元の位置に)戻る」などをイメージさせる英単語。

また、有名映画のタイトル『Back to the future』からわかるように「過去」も連想させます。

フィードバックのダメな点はここ。
「過去」を感じさせる部分です。

フィード「バック」は揉める

スピーチのプロとして『Forbes JAPAN 100』に選ばれた岡本純子氏によれば、過去に注目したフィードバックは人間関係を悪化させます
参照:岡本純子『世界最高の伝え方』(東洋経済新報社, 2023)

岡本氏が著作で紹介している「諸学の父」アリストテレスの理論から、このことを紐解いてみましょう。

アリストテレスは話し合いの方法を3つに分けたそう。

その3つとは

  • 非難する(blame)
  • 価値観(value)について話す
  • 選択(choice)を考える

歴史的哲学者によれば、人間同士が話し合う方法は、必ずこの3つのどれか。

例えばどういうセリフに繋がるか?

夫が食材の買い出しを忘れていた、という状況を想像してみると…

  • 非難する=「なんで忘れたの!?ごはん作れない!」
  • 価値観について話す=「あなたは頼まれごとを忘れる人だよね」
  • 選択を考える=「スマホのリマインダーに入れとくのはどう?」

このうち「非難」と「価値観」は悪手。
状況はちっともよくならないでしょう。

というか、自分も絶対に言われたくないでしょ、こんなセリフ。

理由は簡単。

まず、非難することは過去、価値観を話すことは今この瞬間に視点を合わせること。

つまり、非難するのは過去を、価値観を話すのは今この瞬間を変えようとしているのと同じなのです。

過去は変えられません。今この瞬間も、すでに過去と同じですから変えられませんよね。

過去と現在(=過去のようなもの)は認めるしかありません。
だって変えられないんだから。

変えられないことを責めることに直結するので、フィード「バック」は揉めるのです。

これからの選択について話そう

次に進みますね。

岡本純子氏がアリストテレスの考えを解説しながら導き出した答えはこれ。

話し合いのテーマは「選択」、つまり未来の行動に絞るのがよい

つまり、フィード「バック」でなくフィード「フォワード」。
「back」に対する「foward」(前方進む未来)ですね。

買い物を忘れた相手には、「買い物にいくことをスマホのリマインダーに入れとくのはどう?」と、未来選択のことを伝えましょう。

冒頭のセリフ集も、すべて未来の選択にスポットライトを当てています。

食器を片付けてくれた夫に「もう少し静かに置いてくれる?」。
帰宅後に手を洗うお子さんに「石鹸をもっと泡立てよう」。
新入社員への声かけ「問い合わせには当日中に返信してね」。

もちろん、すべての人間関係がこれで完全解決!なんてことはありません。
前向きな言葉であっても受け取れないほど疲れていることもあるでしょう。

それでも、未来の選択をフィードバック(もといフィードフォワード)するようにしていけば、人間関係はかなりスムーズになると考えられます。

さて、本当に効果があるフィードバックのポイント、掴んでいただけましたか?

未来の選択を伝えることは、大人同士の関係でも、そしてもちろん子育てでもものすごく効果的です。
(というか、過去や現在を問題視すると、たぶん揉めます)

ぜひ取り入れてみてください!