子どもたちと 音楽劇

冴え返る 木曜日。

だいきのこのうえんでは 霜柱も育てているらしい。

ザクザク踏んで

嬉しい霜柱。

キラキラと美しい 霜柱。

霜柱よ 溶けないで。

山の組では もう誕生会の再演。

♪お江戸日本橋 が始まっている。

森の組でも

♪白雪姫の劇ごっこが 始まりそうだ。

山さんたちも

♪白雪姫 の準備を始めた。

皆それぞれ まずやりたい役から。

この後 また違う役を交代して

ずっと続くのだ。

お供のものと森に遊びに来た 白雪姫。

踊ったり

お花を摘んだりしているうちに

疲れて眠ってしまい 置き去りに。

森の動物たちが

次々にやってくる。

眠っている女の子を 眺めていると

かわいい女の子が 目を覚ました。

ご挨拶する 白雪姫と動物たち。

親切な動物たちは

姫を 小人のお家へ案内する。

小人さんの留守宅の お掃除を済ませ

疲れて眠り込む 白雪姫。

帰宅した小人たちの 驚き。

「かわいい女の子が 寝ているよ」

「あ、起きた!」

「こんにちは」

「こんにちは」 嬉しいみんな。

「ごはんですよ」

白雪姫の おいしいごはん。

「おいしい」

「おいしい」

みんな本当に おいしそうだ。

「いってきまーす!」

お仕事へ戻る 小人たち。

お留守番をしていると リンゴ売りがやってくる。

「おいしいリンゴだよ」

ああ、それは毒リンゴだったのだ。

小鳥が見つけて さあ大変!

かけつける小人たち。

動物たちもかけつける。

悲しみにくれる 森の住人たち。

そこへ王子がやってきて

白雪姫を 助け起こす。

フィナーレの結婚式の

晴れやかなこと。

子どもだった白雪姫が

苦難を乗り越え

家庭生活を営むことのできる

大人の女の人になったのだ。

めでたしめでたし。

森さんたちも 白雪姫。

小さい人たちも よく見ていたのだなあ。

そのフレーズになったら

音楽に合わせて やってくるのだもの。

かわいいお姫様に びっくりのリス。

小さい人たちの表現は おもしろい。

こんなに小さい人たちが

昔話のドラマを作り上げているのも おもしろい。

今の世界も昔の世界も 子どもの世界だ。

本当に心配そうな シカ。

泣き方もいろいろだ。

王子様に助けてもらい

大喜びの小人。

小人たちのお手々のアーチ。

くぐるのも おもしろい。

おっと もう二回目上演か。

心がはずむような 軽やかなリズム。

心を動かす 美しいメロディー。

こんなにおもしろい音楽劇が

幼児教育の世界にあることに

心から感謝する 保育者たち。

同じお部屋で 他の遊びをしている人たちも

この美しい曲を聞きながら

昔話のドラマを 味わえるのだ。

おお、もう次の配役が。

山さんたちは 何度目の白雪姫だろう。

何度やっても おもしろいのだ。

お話の世界に引き込まれ

それぞれが その役になりきって

自分を表現する。

自分たちがしている

いつものごっこ遊びに

ドラマチックな音楽を つけてもらったという感じ。

誕生会のステージは

音楽リズムの教育でもあるのだけれど

幼稚園で生活したいろいろが

渾然一体となって 今があるのだ。

友達どうし 感動を共有できる間柄になって

子どもながらに しみじみ嬉しいことだろう。

森の組の小さい人は

魔法使いが怖くて 本当に泣いている。

幼児の世界を生きることは

なんとすばらしいことなのだろうーーー。