人材紹介会社の営業担当者と、上記のようなやりとりをしました。
この会話内容をもとに、幼・保・認こ園に「採用されやすい人」について考えてみます。
「採用されやすい人」の特徴は?
保育園(保育所)・幼稚園・認定こども園への就職活動で採用されやすいのは意欲的な人です。間違いありません。
ある若手起業家も、このように言っています。
意欲的な人はどの職業でも重宝されますが、とりわけ保育の仕事では意欲な人が採用されやすいです。
保育者に意欲が大切な理由①保育の特性
書店員は本を販売します。
ベーカリーではパンを販売します。
生花生産者は花を卸します。
花の生産・販売にも「意欲」が必要ですが、仮に意欲があまり湧かない日があっても、花を出荷することはできます。
そして、目の前の1本の花の品質は、その瞬間の生産者の意欲に、あまり影響されません。意欲を欠いたまま仕事を続けていたら将来的な売り上げは落ちるでしょうが。
一方、保育は?
意欲があまりに小さい状態で子供に向かった瞬間…、
保育とは、人間が人間に、しかも環境の影響を受けやすい乳児幼児の生活そのもの。
保育者の「意欲」のインパクトは計り知れません。
保育者に意欲が大切な理由②労働集約性
①にも関係しますが、保育は人間が人間に対して行うもの。
○○年後のAI時代にも、保育者の仕事はなくならないとされます。
参照:AIによって将来「なくなる仕事」と「なくならない仕事」の違い(GLOBIS, 2020)
そう、保育では人間が動くしかありません。保育は極度に労働集約型の仕事です。
そして、ここが大切なポイント。
機械の仕事には意欲が不要です。
反対に、人間が人間に対して行う保育には意欲が欠かせません。意欲こそが「品質」だからです。
担任の先生が楽しく生活していたら、クラスの子供達も楽しいですよね?
どんな呼びかけにも先生が反応しなかったら?遊びが深まるはずありません。
これも、保育者の採用で意欲を重視する理由です。
保育者に意欲が大切な理由③伸びづらい
幼・保・認こ園で意欲的な人が採用されやすい理由、3つ目はこれ。
詳細は省きますが、意欲は「非認知能力」に含まれるスキルで、幼児期ほどよく発達することが知られています。
つまり、大人になってから伸ばすのは困難ということ。
商品・サービスに及ぼす意欲の影響が比較的小さい業種や、機械化で意欲の不足をカバーしやすい仕事であれば、採用後に意欲を伸ばす余裕があるかもしれません。
しかし、理由①と②で見てきたように、保育者は最初から意欲的である必要があるんですね。
後で伸びない、だから最初に意欲を重視する、これが理由の3つ目です。
意欲の魅せ方
人材紹介会社の方も言っていましたが、「返信・提出を早くする」だけでも、意欲があると思ってもらえます。
☑ メールへの返信
☑ 健康診断書の提出
☑ アンケートへの回答
やり取りする機会はたくさんあります。すべてに素早く反応してください。
さすがに受け答えを「早くする」だけでは通用しません。むしろじっくり考えて質問に答える、といった場面の方が多そうです。
面接において、採用担当者はどうやって意欲を測るのでしょうか。
ほとんどの採用担当者は、学生とのやりとり全体の雰囲気を感じて、何となく「この人は意欲的だ」と判断しているんです。
全体の雰囲気とは、ハキハキしゃべるとか、声量があるとか、質問してくるとか、ですね。
もう少し細かく言葉にするなら、自分の考えを持っている、順序よく説明できる、などでしょうか。
意欲の高め方
意欲は次のように定義できます。
意欲=気持ちを適切に表現する能力
分解すると…
①「気持ち」がある
②実際に「表現する」ことができる
③表現の仕方が「適切」である
①「気持ち」がある
先にお断りしておくと、保育が好きという「気持ち」がない場合、保育者として働き続けるのは難しいです。
「保育のことを考えるだけで嬉しくなる」という人は保育者になるべきです。ものすごく向いています。
圧倒的に強い「好き」は、すべての困難を打ち破りますから。
他方、自己分析の結果として次のように考えた人は、おそらく保育者に向いていません。
他にやりたいことはないし、資格も取ったから…。昔から何となく保育者にって…。強い動機はないですけど。
別の投稿でも上記のようにお伝えしましたが、「何となく保育者を志望している」程度の人は、そもそも保育者に向いていません。
「意欲の高め方」をお教えしようにも、気持ちが湧いてこない限り、他人にはどうしようもないんです。
厳しいようですが、いっそ保育者とは別の道へ進むのがいいかもしれません。
②実際に「表現する」ことができる
「保育のことを考えるだけで嬉しくなる」タイプのあなたは、その気持ちをためらわずに表現してください。
気持ちは、あなたの中に留めてしまっては「意欲」とはみなされません。
他人にとっては、あなたの気持ちが表現されて初めて「意欲」です。
恥ずかしい?大丈夫。相手は「保育に人生を捧げよう」と考えている筋金入りの「保育バカ」です(褒めています)。
学生のあなたが「熱い思い」をぶつけたくらいでは驚きません。むしろ歓迎してくれるでしょう。
③表現の仕方が「適切」である
表現方法を適切に、というのは。保育が好きな気持ちを伝える時の言葉づかいに気をつける、と言った意味。
保育者になりたい気持ちに溢れ、それを表現できれば、言葉づかいが多少「不適切」でも無関係。
その代わり、「保育を愛する気持ち」を大袈裟なくらい表現してくださいね。
というわけで、
①「気持ち」がある
②実際に「表現する」ことができる
③表現の仕方が「適切」である
あなたが他人に「意欲的」と思ってもらえる3つのポイントをお伝えしました。
まとめ
今回は
☑ 意欲が重要である理由(3つ)
☑ 意欲的になるためのポイント(3つ)
を整理してお話ししました。