園生活が始まる

幼稚園の春。

子どもたちの生活の花も 咲きだした。

お母様のお膝を

初めて離れた子どもたちは

ママはどこへ行ったのか

不安がありながらも

遊びたい気持ちのほうが 強い。

子どもはすごい。

いつもお母様のお膝で 胸で

安心感を味わっているからなのだ。きっと。

子どもにとっても 保育者にとっても

新しい出会い。

保育者は

頭のてっぺんからつま先まで 神経を使い

一人ひとりの子どもが

今日を満足できるよう

一心不乱になっている。

こうやって いつの間にか

子どもと保育者の間に

切っても切れない 強い絆が育つのだ。

幼稚園というところは

学校のように 子どもをこちらに集めて

教育するのではなく

保育者があちらへ出かけて行って

それぞれを指導する。

指導というと 堅苦しいが

子どもの遊びの生活を そのままに

その中で イメージを引き出したり

広げたりするのだ。

子どもと保育者の間の絆は

だんだん太くなり

遊びの生活も だんだん広く深くなる。

目には見えないけれど。

外側に現れないところが

幼児の教育の 特徴でもある。

けれど 子どもたちの中に 目に見えない力が育ちつつあることに

気づく日は そう遠くない。

子どもは伸びる

持って生まれた力を自ら精一杯使って。

いつの間にか 知らずしらずにーーー。