毎日が自己実現

冷たい雨の幼稚園。

傘や長ぐつ、レインコートの朝は

いつもより 手がかかる。

子どもにとってみたら

いつもより手をかけてくださるお母様が 嬉しい。

我が子が嬉しいと お母様も嬉しい。

お母様が嬉しいと

子どもはますます嬉しいから

雨のお部屋は 穏やかだ。

続いている いろいろな遊びを

もっとおもしろくしようと

意欲が漲っている。

保育者も お友達も

お互い同士が 最高の教育環境。

“教える”“教えられる”

そういう教育の在り方ではなく

それぞれが 自らの目的に向かって

同じ方向を向いて 頭と身体を動かしている。

もっとよく遊んで 充実しようとして。

アクティブラーニングなのだ。

保育者たちは 子ども一人ひとりの中身についての

指導計画を持っているが

そんなことは 表に出さない。

子どもたちが 遊びをもっとおもしろくしようと

考えたり工夫したりする生活の中に

教育を入れているのだ。

私ども幼稚園教諭は

大学時代に 一斉保育など 学んでいない。

幼稚園の子どもたちに

ああ 今日はよく勉強した、などと思わせたら

それは 幼児教育の失敗なのだ。

幼児を 最高に伸ばそうと考えたら

アクティブラーニングしかない。

大人主導の 目玉保育が

いつまでもなくならないのが 不思議だ。

高階幼稚園の 保育者たちは

幼児の世界の充実のために

保育の研究を欠かさず 修養を続けている。

子どもにとっても 保育者にとっても

毎日が自己実現なのだが

長時間預かりの幼稚園や保育所は

いつ 保育研究しているのだろうーーー。