幼児を伸ばす保育

2月の空は まろやかに青い。

お庭で始まった 学校ごっこ。

小さい人たちのお勉強ごっこには

紙で作った鉛筆や 木の枝が使われる。

どんな難しいお勉強でも できるからだ。

今日も探検 ポケモンさんたち。

春めく森の幼稚園を 隅から隅まで歩く。

休憩と相談。

今度はぼくが先頭ね。

日課のように行われている

どんぐりどんぐり こーろころ。

角度を変えると

速度も変わる。

まるで 実験のようだ。

お庭に出るときは 上着とニット帽。

ほら、ファスナーできるようになったよ!

日溜りのテラスでは

魔法使いごっこのお部屋を 学校に見立てて

あたしたちも お勉強ごっこ。

森の組おままごとのお家は お昼寝の時間らしい。

お庭でおねんねの子どもにも

お布団かけてあげましょう。

イメージを広げながら

遊び続けるようになった 小さい人たち。

成長を感じる場面が

生活のあちこちに見られ 嬉しい。

子どもさながらの 遊びの生活に

教育を入れていく保育。

幼児の発達に適合した この保育を

自由保育と呼ぶようになったのは

いつ頃からなのだろう。

自由保育という保育はない。

戦争中 兵隊さんが戦地で戦っているのに

遊んでばかりいては ということがあって

一時期 一斉保育を行っていたと

聞いたことがあるけれど。

幼児は 小さい大人ではない。

小さい学童でもない。

幼児の特徴を 正しく理解してほしい。

幼児たちが最も育つ、最も伸びる保育が

自由な遊びを中心とする この保育なのだ。

子どもたちが自ら始めた遊びは続く。

保育者は 見守るばかりでなく

イメージを引き出したり 広げたり 深めたり

子どもたちの思いを 形に現す手伝いをする。

子どもたちのアイデアが尽きたころを 見計らって

遊びの中に 流れ込む。

こうするともっとおもしろい というように

子どもの頭や身体がもっと動くよう 力を貸す。

二度とない幼児期を

子どもたちが精一杯生きられるように

保育者たちも 一日一日を

精一杯 生きているーーー。