0・1・2歳児の幼稚園体験~母親の不安~

何年か前

まだ「ちいさいお庭カフェ」がなかった頃

こんなことがあった。

「幼稚園のお庭へどうぞ」という

いわゆる幼稚園体験を

月に一度ほど していた頃のことだ。

赤ちゃんから2歳半位の母子が

育児相談もかねて 訪れていた。

「うちの子は引っ込み思案で」と

2歳になったばかりの男児のお母様。

「どうする?何して遊ぶ?」。

坊やちゃんが砂場へ行くと

「どのシャベルにする?赤?青?」

坊やちゃんの目をのぞき込んで

行く先々で お子さんに選択させるお母様。

我が子に自主性を、とお考えなのだろう。

坊やちゃんはというと いつもしかめっ面。

坊やちゃんが“だんまり”なので

お母様は ますます「どうする?」。

親切のつもりでおっしゃる「どうする?」が

きっとお子さんの持って生まれた力の上に

覆いかぶさってしまっているのだろう。

心も身体も ちぢこまって

それで“引っ込み思案”のようになってしまっているのだろう。

お母様は お優しく辛抱強いのだけれど

お顔が辛そう。

「シャベル赤?青?」と 聞かなくても

自分で選ぶまで待たなくても

お母様がどちらかを選んで

お母様が砂を掘り始めたらいい。

お友達のようになって。

坊やちゃん、赤じゃなく青がよかったら

“自分から”青を取って砂と遊ぶ。

お母様の身体のリズムによって 楽しくなる。

坊やちゃんの心も頭も身体も

“自分から”リズミカルに動く。

育てる者たちは 後になり先になり

自分を使い分けるのだ。

いつもは我が子のお母様だけれど

ある時は お友達に

ある時は お父様のように

ある時は それこそ召使いのように ーーー。

でも、こういう事は

お目にかかったばかりのかたには とても言えない。

親しみの間柄にならない限り

お伝えは 無理。

それで お花先生は考えた。

0・1・2歳児と お母様が

毎日遊べる「ちいさいお庭カフェ」を作ろうと。

美しいお花たちが

かわいい金魚たちが

砂場・ブランコ・すべり台が

あたたかいガーデンハウスの

おもちゃたちが 絵本たちが

そして 頼りになる先輩母たちや 先生たちが

迎えてくれる かわいいガーデンカフェ。

自然の中のカフェだから コロナも安心。

人形劇やフリマなどの イベントも楽しい。

ほぼ毎日訪れる母と子の

自信に満ちた表情への 変化。

なんと嬉しいことだろう ーーー。