子育ての味

幼稚園の金曜日は

かくれんぼから始まる。

「もういいかい」

「もういいよ」

吹く風が冷たいけれど

子どもたちは元気だ。

「はじめのいっぽ!」

「だるまさんがころんだ!」

「あっ 動いた!」

観察眼するどいオニさんに

緊張感たっぷりの仲間たち。

小さい人たちも おもしろそうに見ている。

「だるまさんがころんだ!」

おお、勇気ある挑戦!

「タッチ!」

「ストップ!」あらら、ご長男二人がニコニコ見ている。

逃げなくては!

お気に入り竪穴住居で

朝ごはん。

いつものメンバーが集まる。

幼稚園のあちこちで

それぞれの生活が始まる 朝、

幼稚園の空気は

意欲に満ちている。

保育者たちは

一人ひとりの遊びの達成のため

行ったり来たり。

子供たちの中身を伸ばすために

一生けんめいだ。

子どものための 一生けんめいが

大人を育てる。

育てるから 大人として育つのだ。

朝から夜まで 我が子と離ればなれの生活を

選択する母親が 最近多いけれど

互いの味が薄くなってしまって

それでいいのだろうか。

我が子の中に

何を育てたいのだろうか ーーー。