おもしろい幼稚園

朝の園庭に転がるどんぐり。

ここにも。

あそこにも。

あ、ボールも転がっている。

“りんごころころ”に 似ているけれど

知っている人は知っている。

これは 玉入れっていうんだ。

あのカゴに入れるんだ。

カゴを一杯にして喜ぶところから始まる

玉入れ。

ルールはあとからついてくる。

玉入れは おもしろい。

1回入ったらずっと嬉しい。

たとえ そのあと10回入らなかったとしても

あの1回の嬉しさが

気持ちをわき立たせる。

玉入れはおもしろい。

始まったら 終わらない。

おもしろくて

おもしろくて たまらない

エンドレス玉入れ。

あら カマキリさんまで玉入れごっこ。

幼稚園のカマキリはスバラシイ!

♪はとぽっぽ体操が聞こえる。

ああ 山さんたちだ。

はとぽっぽ体操は おもしろい。

山の組では

運動会に飾る旗作りが

続けられている。

三歳になったばかりの森の組さんは

ポケモン作りに 一生けんめい。

工事が続く 日蔭ガーデン。

ちょうどいい深さになったところで 温泉を思いつく。

先輩たちが よくやっていたものね。

足し湯に歓声。ああ いい湯かげん。

山さん達が 温泉で休憩している間

小さい森さん達が 現場を預かる。

お仕事 お仕事。

お仕事は おもしろい!

足がたくさん並んだので ついつい数えたくなる

「1.2.3.4….18本もある」自分の足も数え忘れず えらいこと。

足湯仲間が増えて

足し湯も増えて

満員に。

ウオーターシュートか温泉シュートか

滑りっこが始まる。

おもしろくて

おもしろくて たまらない。

温泉の歓声も耳に入らず

さっきから熱中している線路ごっこ。

トンネルにはオバケが出没。

みんな夢中だ。

おもしろくて おもしろくて たまらない。

おもしろいから 子どもは育つ。

たまに何かにつまづいて 涙にくれることがあっても

充実のおもしろさを知っているから

この世界はおもしろいのだ。

おもしろいから 子どもは育つ

広く柔らかい心が育つのだ ーーー。