自然幼稚園の宝物

降り注ぐ蝉時雨に

心がわき立つ

自然幼稚園の朝。

青虫が蛹になって

嬉しくてたまらない。

みんなに見てほしい子ども。

あたしだって ほらこんなに。

たった今捕まえた 黄チョウ。

自然幼稚園には

宝物がいっぱいだ。

積み木のお部屋の警察官たち。

今日は宿直か。

大型積み木は 山さんたちの宝物。

「とったとった!ママがとった!」

園芸サークルのママが 思わず捕まえた蝶々を 見せに走る子ども。

「社長!カラスアゲハ!」

「それクロアゲハだよ」

「あ、そうか」

「逃がしてやりなよ」

「ママに聞いてから」ママが捕ったんだものね。えらいこと。

幼稚園には宝物がいっぱいだ。

森の組にも宝物が。

森さんたちが大好きなペン。

これで塗るのは楽しい!

これまた 大好きなビルブロック。

こんなにいいものが作れるのに。

もう どこにも売ってないなんて。

製作の厚紙も

お店屋さんには売っていない。

みんなみんな 子どもたちのためのトクベツだ。

いちばんの宝物はお友達だ。

虫捕りだって

お友達がいるから おもしろい。

捕っても捕り逃がしても おもしろい。

三輪車だって

お友達が前後を走るから おもしろい。

後部席の初乗りだって

お友達がいるから 勇気が出る。「昔は乗れなかった、大きくなったの」と

嬉しい一人言も聞ける。

お友達がいるから ーーー。

お友達がいるから

工夫しあって作ったり

作ったものを使って 熱心に遊べる。

お互いがお互いの教育環境。

この自然幼稚園には

宝物がいっぱいだーーー!