ビワの気持ち

「もう食べ頃だね」

山の組さんたちが数日前から気づいていた、お日様色に実ったビワの実。

収穫するのは

幼稚園の弁慶と牛若丸。

もぐのは子どもたち。

ぼくも手伝おうと走ったらステン!と転んじゃった。

山の組になりたてのお姉さんたちが

涙をふいてくださる。

「いただきまーす!」

幼稚園のビワ初体験の子ども

去年もおととしも食べたベテランも

一緒に味わう 素朴な味。

まあるくて産毛のある

瑞々しいビワの実と

子どもたちの似合うこと。

さっき泣いた子どもも いつの間にかビワに夢中。

子どもたちの声を聞きながら

育ったビワの木だもの

子どもとビワは仲良しなのだ。

今年も種を埋めよう。

いつか大きな木になって

葉っぱもおうちの役に立つ。

お茶にしたり お風呂に入れたり

染め物だってできるのだ。

ビワの気持ち

仲良しの気持ち ーーー!