幼稚園の節分



節分の朝。


幼稚園のお庭に顔を出した
小さな妖精たち。



土の中では
春を迎えるための支度が
もう始まっているのだ。


お部屋では


豆まきの支度。


思い思いの枡に


紙で作った豆がたくさん
詰め込んである。



大好きな絵の具を



ちょっとお休みして


鬼の襲来に備えなければ。



お弁当を終えたころ


山から鬼がやって来る。


武者震いの子供たち。



あ、やってきたきた きみこ鬼。


母たちは年に一度のお楽しみ。



小さい人たちには


二代目ほっこり鬼のお面で臨む。



♪まめまき まめまき おにはそと


ぱらぱら ぱらぱら ふくはうち



たちまちなくなる枡の豆。



拾っては投げ


投げては拾う 池さんたち。



池さん意外に勇ましい。



形勢不利のきみこ鬼。


鬼の退散に
思わず手を振る 池の組。


川の組には もちろん
本物のお面がいい。


予備の豆に感心する鬼。


おにはーそと!


おにはーそと!



年中さんにしてはよく命中する。


練習に励んだに違いない。


おにはーそと!


おにはーそと!



川さんたちの活躍はすばらしい。



と思ったら


やっぱり怖いのだ。



あっ 大変!



でも 大丈夫。


正義の味方たちが大勢いる。



子供たちの一生懸命を



こんなに笑っていいのか。



先生の後ろに隠れていた子供たちも


勇気を振り絞って



おにはーそと!


おにはーそと!



おにはーそと!




平身低頭 きみこ鬼。


川さんたちも


メデタシ メデタシ。




お次は海さんなんだけれど


いろんな仕掛けがあって



なかなかお部屋に入れない!



おにはーそと!



おにはーそと!


おにはーそと!



海さんやっぱり勇ましい


と思ったら そうでもない。


まだ夢の世界に生きているのだ。
なんとありがたいことだろう。



そして


さっき 身をすくませていた子供たちも


くじけずに立ち向かう。



おにはーそと!



おにはーそと!



ドキドキしたり


ホッとしたり



泣いても立ち直ったり



助けてあげて誇らしかったり


思いやりを受け
友のありがたさを感じたり


力を合わせて 鬼に打ち勝って


達成感を味わったり



人生のいろいろな思いを


一度に味わえる 豆まきの良さ。


明日は立春



幼稚園に春が立つ ーーー。