冷たい雪の下から 顔を出し始めた
クリスマスローズ。
その強さに励まされる朝。
お手々が冷たくても
お庭で遊びたい
小さい人たち。
登園直後なのに
もう 夢中になっている
海さんたち。
こうしたい!こうしよう!
自分たちの思い描く
イメージの世界へ向かって
一生けんめいだ。
川さんたちも 一生けんめい。
遊ぶためのいろいろを
この手で作りたい。
先生は イメージを引き出したり
広げたり。
子どもも大人も
大忙しだ。
お庭で転んだ
かわいそうなひよこさん。
あ、お友だちが。
自分のタオルで涙を!
自分も受けている親切を
お友だちに!
外側からは見えなくても
育ってきている心。
小さくたって
1人ひとりがこんなに育ってきたのは
お母様のお弁当の
魔法のせいだろうか。
お弁当だけではなく
お母様との日常と
幼稚園の日常が響き合っているのだ。
安心感が貯えられ
意慾と意志が育ち
いつのまにか
知らずしらずに
こんなに育っていた!
というのがいい。
これをやらせたら育つ とか
これができたら自信がつく
などという
先生主導で 行事ばかりの
幼稚園が多過ぎる。
それで
1人ひとりが育つわけがない。
人生を共にする自信は
そんなことでは育たない。
豆まきを楽しみにしながら
生活している子どもたち。
季節の行事はあるけれど
子どもの生活全体を
行事に向けることはしない。
いつもの生活に ひとつ
豆まきという遊びが増えた、
そういうふう。
心も身体も頭も
思いきり使って遊ぶ
子どもたちの
何気なく思える
この細やかな日常が
それぞれの人生を支える
基本になる。
十把一絡げの
取って付けたような
不自然な教育は
してはならないのだ ――ー!