連休明けの幼稚園。
地面に散り敷いた桂の葉の
甘い匂い。
園庭には
森の小道が。
嬉しい子ども。
もっともっと
道を作ろう!
落ち葉の匂い。
落ち葉の音。
落ち葉と遊ぶ子どもたち。
さっきから聞こえてくる
♪ドレミのうた♪
おはよう!
おはよう!
先生にトンカチを作ってもらう子ども。
海の組の朝。
池の組の
道路工事。
ウルトラマンや
はやぶさ。
ヒーローやヒロインも
作られ始めている。
和やかな朝。
川の組からも
♪ドレミのうた♪が。
楽団がバスに乗って
♪うたバス♪に。
誰かが思いつき、
その楽しさを
みんなが共有する。
それぞれの工夫が加わる。
川さんたちも大きくなってきた。
将来、アイスクリーム屋さんになるため
仕事をしている川さんも。
今日はかまどでおいもを蒸す。
♪おかまかぶってちょっときておくれ♪
はないちもんめの *おかま*は
これか!
おいもを洗うのは
みんな
もうお手のもの。
火を焚く準備。
海さんたちが
遊びに使っていた枝たちが
役に立つ。
火の勢い。
パチパチはじける音。
煙の匂い。
♪火のこ パチパチ おこりんぼう
おこらすな おこらすな
火のようじん
火のようじん♪
♪火の用心♪の大合唱が
いつまでも続く。
木の枝は
あっという間に炭に。
火の力って、なんてすごいのだろう!
「熱いから、いいこと考えたんだ」と言う
子ども。
嬉しくてたまらない
子ども。
いい匂いがしてきた。
ほくほくのふかし芋。
早く食べたい。
いつのまにか行列が。
みんなえらい。
言われもしないのに並んで。
幼稚園のテラスが
まるでいろり端のよう。
おっとりと
みんな打ちとけあって
なんていいのだろう。
フーフー言いながら、
ただ ただ 黙って
お芋を味わう。
そして 何度もおかわりをする。
だから 今日のお弁当は
少し遅くしよう。
子どもたちが
心と身体で味わうお芋。
初冬の味―――。
おまけ
この炭で墨汁つくれるかも、
と 海、男児。