お庭のジューンベリーが
食べごろになってきて
嬉しい幼稚園の朝。
一年前の あの時に
食べた味。
初めて食べる
幼稚園の味。
甘ずっぱい
初夏の味だ。
おいしい!
おいしい!
木陰では
野球ごっこが始まった。
あ、
お父さまも子どもになっている。
ブランコを漕ぐお友だちに
「ジューンベリー おいしいよ!」
「ジューンベリーやさんまで特急です」
次々にやってくる
お客さま。
おいしさを
分けっこする
お友だち。
いちばん小さいお友だちに
食べさせたいお姉さんたち。
ぼく 果物キライなんだけど。
自然幼稚園だから味わえる
いろんな味。
ラズベリーやブラックベリー。
ビワにブルーベリー。
ブドウ、イチジク、
カキ、ザクロ。
葉っぱが落ちたら
焼きいもも!
テラスの賑わいは
♪ピタゴラスイッチ!
今度はどうかな?
おお、!
いい感じ!
あ、
残念!
ここが失敗!
こうしてみたら どうかな?
保育者も
子どもと同じになっているから
子どもの頭は
受け身にならない。
さあ、 もう一度!
♪こぎましょ こぎましょ
ブランコを
とおくの おやまが
みえるまで♪
自分で漕げても、押してもらいたい。
保育者の手から
リズムが伝わる。
背中が満足する。
心が満足する。
満足が、次への意欲になる。
またやっている
ピタゴラスイッチ。
さあ!今度こそ!
あっ!
行った!
わあっ!
成功だ!
お部屋では
作り物。
海の組になったから
色紙を自分たちで管理。
もう 自分のことばかり考える人は
いないもの。
川さんたちも
作っている。
自分の思いを形にするのは
楽しい。
「先生どうぞ」
「ありがとう」。
あ、ジューンベリー。
お姉さんも。
おいしい おいしい。
「おとどけしてきた!」
「ありがとう!」
幼稚園のあちこちで
熱中が始まっている。
それぞれの充実に向かって―――。