冬の置き土産のような
寒い朝。
「お母さんのお弁当、あと何回かな?」
と海さんたち。
こちらのグループは
小さかった頃の写真に見入っている。
卒園アルバム製作中の担任が
子どもたちのためにと
抜き出したものだ。
「え?これ誰?」
「○○くんだよ」
「えー、こんなに小さかったの!?」
「かわいいねぇ!」
「あ、これ○○ちゃん!」
「カラーペン、
まだこうやって持ってるね」
「これ、ぼく!」
「小さいねぇ!」
「この女の子だれ?」
「あ、これ女の子じゃない!○○くんだ!」
「えー!プリキュアやってたの!?」
みんな、なんて小さかったのだろう!
ずっとずっと前の
小さかった自分や
お友だちに出会って、
どんな気持ちがするのだろう。
熱心に見つめる子どもたちの目は
あの頃に向かって開かれていて、
同時に、
これからに向かって
開かれているのだ と感じる。
さあ、遊ぼう!
遊ぼう
遊ぼう 遊ぼう!
春の匂いがする
幼稚園のお庭で!
川の組からは
おいしそうな匂いが。
お休みしていたお友だちが
帰ってきた嬉しさ!
お友だちって
なんていいのだろう!
勢いづく川の組。
「みんながこんなに上手なのは
もうすぐ海さんになるからだよ」
と 川さんたち。
「ね、こんなにすてきになった」。
池の組からは
♪キラキラ星変奏曲♪が。
悪い星が登場すると
やっぱり気になるお友だち。
だって、
池さんたちが
本当になって
心から表現しているのだもの。
見る方も本気になってしまうのだ。
ぼくの考えはこれ!
こうやって遊びたいのだ。
お友だちが劇に入っても
僕はこれ!
ツリーハウスのお母さんは
でんぐり返しの練習。
「危ないから、
先生と一緒の時だけよ」。
「ごはんできたよ」。
おなかをすかせているくまちゃんに
食べさせなくては。
「ただいまぁ」。
お父さんも帰ってきた。
ここにもお父さん。
いいお天気だから
お庭でお洗濯。
今日の充実に向かって
本気な
子どもと
保育者たちに
春の光が降り注いでいる―――。