春は名のみの、
というけれど、
風が冷たい幼稚園。
池さんたちは
なんとなく
いろり端の雰囲気。
みんな仲良しだ。
違う遊びをしていても、
どこかで繋がり合っていて
温かい。
「カバーが取れちゃってる」。
椅子を持って伝えにきた
子ども。
気づいて行動して
えらいこと。
人間の基本だ。
川さんたちも
いろり端。
いろんなものを作っている。
違うものを作っていても
お互い同士が影響し合って
ごっこ遊びが続いていく。
初詣でがヒントになったのか、
ポケモン神社には
人形たちの参拝が絶えない。
小さいお賽銭だって
たっぷりある。
川の組の赤鬼、
今日も池の組へ。
お手々やお口が
まちがう人は いないか?
鬼との約束を
忘れている人はいないか?
「だいじょうぶ。
あたしたちが守ってあげるから」
「おにはーそと!」
「おにはーそと!」。
小さいと思っていた3月生まれが
こんなに強くなっていて
嬉しいお友だち。
おままごとのお家にも
ちょっとした緊張が。
積木のお部屋の
こま名人たち。
偶然が
工夫に繋がる。
海さんたちの*ろうや*から
ドロボウさんが逃げたので、
捜し出して
つかまえた。
海の組は、
何も言わなくても
お互いがお互いのことを
よくわかっている。
何も言わなくても、
お友だちの遊びの先を見て、
必要なものを作ったりする。
「こういうの誰か作っといて」
という場面で、
もう作ってあったりする。
*あうん*の呼吸というのだろう。
お家の生活とおんなじだ。
昔話のいろり端のような
こっくりとした味わいだ。
手塩にかけて育ててきた
お母さまと担任たちの味が加わって
いい味になっているに
違いない―――。