紅や黄色に染まり始めた
幼稚園。
カツラの落ち葉の
甘い匂い。
誰が染めたのか
不思議に思う子ども。
いい匂いが嬉しい、抱っこが嬉しい、
幼稚園の朝。
ホットケーキのような
わたあめのような
焦がしキャラメルのような
あたり一面のいい匂い。
カツラの周りの集まる子ども。
川の組からは
いい音が。
楽しかった誕生会の
劇のいろいろを作る、
その向こうで
カスタカチカチが始まったのだ。
メロディーを口ずさみながら作る
子ども。
もうすぐできあがる子ども。
カスタネットは
いろんな打ち方ができて おもしろい。
おもしろくて おもしろくて
たまらないのだ。
木の葉返し打ち。
忍者みたい。
小鳥鳴き打ち。
小鳥さんのくちばしね。
アルペジオ打ち。
うーん、ムズカシイ。
くぼみ打ち。
つい力が入っちゃう。
作り終えたお友だちも
仲間に。
これはこぶし打ち。
池の組でも
♪ブレーメンの音楽隊♪で使う
いろんなものを作っている。
お池のひよこさんは
救助隊のお兄さんと
遊ぶつもり。
砂場では
♪せーんろはつづくーよ どーこまでも♪
「ここは山」。
カツラの葉っぱで
甘いごちそう。
今度は
海の組から
太鼓の音。
こぐま座の動物たちの♪タタロチカ♪だ。
太鼓のリズムに合わせ
踊る子ども。
踊る人のリズムに合わせ
太鼓を打つ子ども。
製作中の子ども。
響き合う仲間たち。
劇ごっこの用具を
作り終えた 川の組。
さっそく始まった
♪ブレーメン♪。
池さんたちが
お客さまだ。
ブレーメンへの旅の途中、
ちょうちょさんに出会う。
うさぎさんにも出会う。
リスさんたちにも出会う。
森の友に励まされ
旅を続ける4匹。
とうとう夜になった。
今夜はここに泊まろう。
動物たちが寝静まると
木たちが躍り出す。
朝だ。
コケコッコー!
さぁ出発!手拍子が始まる。
ここはドロボウの家。
酒盛りの真っ最中。
息を飲む
観客たち。
動物たちの気配を感じ、
「おやぶん、何かヘンですよ」
「平気へいき。何でもないよ」。
ヒヒーン!ワンワン!
ニャーゴ!コケコッコ―!
おばけだおばけだ!大変だー!
大慌てのドロボウたち。
おなかをすかせた動物たちの
食欲!
あっ!
ドロボウが戻ってきた!
暗いから手探りのドロボウ。
ロバが蹴る!
逃げ出すドロボウ。
2人目のドロボウも
おそるおそる歩く。
今度は
犬がかみつく!
3人目のドロボウ。
何しろ暗いので
腰が引けている。
猫がひっかく!
次は
3人同時にやってくる。
ニワトリがジャンプ!
つっつく!
つっつく!
めでたしめでたしのフィナーレ。
感動の共有。
池さんたちも
めでたしめでたし。
川さんたちの豊かな表現力。
いつのまにか
こんなに育っていたことに驚く。
今日は
おむすびようちえん。
おいしいお米と
おいしいお塩。
それに、
お料理サークルのお母さま方の
心を入れた
お母さんの味だ。
素朴でおいしい
塩むすび。
おいしいね。
おいしいね。
もちもちしてるね。
このごはん
おもちが入っているのかな。
海さんは
自分で結ぶ。
まる、
さんかく、
しかく、
思い思いの形。
おいしい。
おいしい。
塩むすび。
「お塩って おいしいね!」
「このごはん甘いよね!」
「うん、甘いね!」
「なんていうお米?」
「*おばあちゃんのお米*」
「へぇー!おばあちゃんが育てたの?」
「うん、1人で!」
「すごいねぇ!」
「えらいねぇ!」
おばあちゃまありがとう!
ありがとう!
ごちそうさま!
「ああ、おなかいっぱい!」
「さぁ、思いっきり遊ぶぞぉ!」
子どものひとりごと。
いいなぁ、大声のひとりごと―――。